そううつ色々図鑑ーメンヘラ歴1/4世紀ー

双極性障害持ちゆえに出会った色々な人たち、出来事について。精神科入院生活の有様。サイテーな家事・育児についても。

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ヘルパー図鑑4(巳浦さん) 家政婦紹介所ーアイロンがけは高度な家事?ー

卯川さんと話したのは月末だったので、その月の終わりをもって「ひまわり」 の利用は終了になった。 さて、どうするか。卯川さんの言う様に家政婦に頼むか。 今まで家政婦を頼んだ事などなかった。ネットで「家政婦紹介所」を 調べ始める。 条件として 【立…

うつ病の家事と育児6 家族の協力ー悟りの境地の効用ー

前項で卯川さんに「何故子供に家事を手伝わせないの?」と迫られた 件を書いた。 確かに、母親が、妻がうつで家事が出来ないのであれば、他の家族がカバーする、 手伝うというのは常套でもあり、尤もな話だ。 しかしうつで疲弊しきった身には、他者に家事を…

ヘルパー図鑑3(卯川さん再び)利用者失格ー私は怠け者?

卯川さんに、辰倉さんを固定で入れて欲しい旨電話を入れた。 「出来ません」彼女はにべもなかった。 「それだと他の利用者に手が回らなくなるし。辰倉さんが有能なのは 分かってます。でも、それだと安井さんが辰倉さんに甘えて頼っちゃうでしょ」 頼れる存…

ヘルパー図鑑2 (辰倉さん)燃えるヘルパーさん

契約も無事に終わり、毎週2回ヘルパーの来る生活が 始まった。私が卯川さんやヘルパーさんに伝えたのは「ともかく家族に しっかりとした、栄養のある食事を取らせたい」事。 特に子供は成長期だったので、きちんと食事を作れない状況は ずっと気になっていた…

ヘルパー図鑑1(卯川さん)スパルタ式ボランティア団体「ひまわり」

十勝保健師が連絡を取ってくれて、 utuutuyasuyasu.hatenablog.com 「ひまわり」の調整員卯川(仮名)さんが訪ねて来ることになった。 会員になる必要があり利用に当たっての契約や説明の為だ。 人手が足りない(これは有償家事援助団体共通の課題のようであ…

うつ病の家事と育児5 サイテーの料理

前項 utuutuyasuyasu.hatenablog.com で、食事作りの助けになるヒントを挙げたが、 「どうしても自分が作らなくてはならない」 状況に陥る場合もあるだろう。 必要に迫られて、出来るだけ負担を少なく食事を作る方法。 私のやることなのでサイテー(最低限mi…

うつ病の家事と育児4 ご飯は食べないと

調理 掃除・整頓 洗濯 と家事を分類すると、一番大切で待ったなし なのは「調理」である。 ゴミでは死なない。荒れ果てた部屋でも生き延びる事は出来る(例 ごみ屋敷) 洗濯は洗濯機がしてくれる。とはいえ、本当に具合の悪い時は洗濯機のボタンを 押すこと…

うつ病の家事と育児3 家事援助利用法

十勝保健師が紹介してくれたのは、地元のボランティアグループ。 産後や病気、障害を持った人たちに家事を援助する団体だ。 団体名を仮に「ひまわり」とする。 「ひまわり」は、勉強会のメンバーが元になって作られたグループで 志の高い人たちが集まってい…

うつ病の家事と育児2 母子心中回避へ

十勝保健師は、ボランティアで構成される有償家事援助グループを 紹介してくれた。 保健師図鑑2(十勝さん)保健師に動いてもらう方法 - そううつ色々図鑑ーメンヘラ歴1/4世紀ー 非常に助かったが、サービス利用後も山あり谷ありだった。 うつ病の母親に取…

保健師図鑑4(虎谷さん)精神疾患の人の為の公的サービス 付保健師まとめ

とは言え、大変お世話になった保健師もいる。虎谷(仮名)さんだ。 精神疾患はいくつか受けられる公的のサービスがある。 精神障害者保険福祉手帳の交付、障害者自立支援医療制度、障害福祉サービス、 障害年金、精神障害者地域移行・地域定着支援事業などだ…

保健師図鑑3(金子さん)壊れたレコード

頑張ってる方たちもたくさんいると思うけれど、 コロナの昨今保健師たちの奮闘も報道されているけれど、 十勝さんといいい、今回取り上げる金子(仮名)さんといい、 保健師には当たりはずれがある気がする。 一つは保健師が忙しすぎるのだろう。 見える部分…

保健師図鑑2(十勝さん)保健師に動いてもらう方法

この時頼ったのは、九鬼さんのC保健所ではなく、もよりの保健所である。 地域で、健康関連で駆け込むと言ったら保健所しか思いつかなかったし、 それは多分正しい選択なのだと思う。 約束無しで駆け込んだ保健所で、対応してくれたのは十勝さん(仮名)とい…

うつ病の家事と育児1

と、ダークな話題に終始してしまったが、事実・現実なのだから仕方がない。 さて闘病中、一番苦しんだのが「家事」と「育児」が疎かになっていることへの 自責の念だった。 母として、妻として役目が果たせない。迷惑をかけている。申し訳ない。 自分を責め…

希死念慮4 自殺についての私見

希死念慮、自殺について長々と書いてきた。 自殺願望に苦しめられて来たのは確かだが、反面自殺は救いでも あった。 うつ病患者が自殺を試みるのは絶望や悩み、苦しみから逃れるためだろう。 言い換えれば、今の苦悩に満ちた状態から逃れる救いの手段を自殺…

希死念慮3 暗殺者と背中合わせ

今までなんとか生き抜いてきたけれど、今でも希死念慮から解放された 訳ではない。調子が悪くなると、「死にたい」気持ちが頭をもたげてくる。 一日中「死にたい死にたい」とつぶやいている事もある。 精神状態が悪い時、著名人が自殺のニュースを耳にすると…

希死念慮2 自殺抑制剤

真剣に自殺を何度も何度も考えた。有名な自殺マニュアル本も購入した。 どのような手法で、確実に楽に逝けるかを詳しく調べた。 首を吊るための丈夫な紐を探し、実行の場所を探した。 刃物でどこを切れば致死に至るのか、体を探った。 飛び降りる場所を探し…

希死念慮1 死なせない、殺さない

退院後は順調だったのかと言うと、全くもって そのようなことは全くない。 本当に辛く苦しく、落ち込む事の連続だった。 過眠・不眠、拒食・過食、疲労感、焦燥感、絶望感、自責の念。そして 希死念慮。 うつ病(私は長年うつ病と診断されていて、一度躁状態…

精神科医六人目(八木医師) 魔女の館

九鬼保健師と面談した翌日、さっそく八木クリニックへ向かった。 診療は5時までとなっていたが、その一時間前に着いて受付を済ませた。 30分ほど待たされて名前を呼ばれた。 診察室に足を踏み入れて、たじろいだ。 クリニックはビルの二階にあるのだが、窓一…

保健師図鑑1(九鬼さん) 無断キャンセル No show

一人、触れることを忘れていた精神科医師がいた。 一度しか診て貰ったことはないが、非常にインパクトの大きい医師だった。 悪い意味で、である(苦笑)仮に八木医師とする。 何故八木医師のところを受診するかに至ったかは、保健師九鬼さん(仮名)との 出…

患者図鑑番外編 バンダナを巻いた人たち 

前述したように、A病院の精神科入院患者は、内科の病棟の 端でひっそりと生息していた。 あちこち自由に歩き回れるようになると、病棟の あちこちにバンダナを巻いた女性たちが多いのに気づいた。 迂闊なことに私は、始め何故彼女たちが頭にバンダナを巻いて…

退院 精神科の入院生活とは

入院時に言われたように。薬の調整・家から切り離すことでの休養・生活リズム の調整そしてカウンセリングを開始したことで、病状は好転していった。 utuutuyasuyasu.hatenablog.com 最初は病室のあるフロアの移動しか許されなかったものが、自宅で数泊 して…

患者図鑑6 宿題は病院の床頭台で

伊原さんは、相沢さんとはタイプが違い、物静かでおとなしい感じの方だった。 うつで繰り返し入院している、とおっしゃてっいた。 昼間は起きて本を読んだり、庭園で散歩をしたり手紙を書いたりしていた。 私自身がそうだったのだが、うつが酷いとトイレに行…

患者図鑑5 洋食屋のおかみさんの摂食障害

同室の相沢さんについて書こう。今まで待合室で精神科の患者さんと 居合わせたことはあったが(患者図鑑1~4)親しく言葉を交わしたのは 同室になった相沢さんと伊原さんが初めてだった。 相沢さんはショートカットの似合う40代くらいの女性で、はきはきと…

ロジャーズ 来談者中心療法

カウンセリングにも色々な派があるようで、七瀬先生も「この病院に 所属するカウンセラーも人によって若干やり方が違うかもしれませんね」 とおっしゃっていた。 七瀬先生のそれはロジャーズの来談者中心療法に一番近いという。 この療法の基本的な考えは、…

カウンセリング受ける?受けない? 料金は5000円也

今までで医療面では五藤先生一人に支えて来てもらっていたが、ここで七瀬 先生と言う援軍を得たのは非常に心強かった。一本の柱が二本になったのだ。 七瀬先生と五藤先生は私の情報を共有していて、七瀬先生に伝えた事は 五藤先生に、五藤先生の診療方針は七…

7年間の苦しみの精算

カウンセリングは一回あたり50分なのだが、7年間(当時で)溜まりに溜まった 気持は到底伝え終えられるものではなかった。 「もう時間なのですけれど、また次の時に話を聞かせて下さいね」 七瀬先生は微笑んで初めてのカウンセリングは終わった。 怒涛のよ…

私を泣かせてください ーLascia ch'io piangaー

七瀬先生は、30半ばくらいに見える髪をシニヨンにまとめた小柄な女性であった。 「初めまして。七瀬です。五藤先生からお話は伺っています」 七瀬先生と対峙して、何か話そうとしたら、まず涙が流れてきた。 先生は黙ってティッシュを差し出した。 「私は……

七瀬先生 ーカウンセラールーレットー

入院中の診療は、週一回きちんとした診察の時間が取られ、他は 時々先生が様子を見に来るスタイルだった。 五藤医師が「どう?」と病室を覗きに来たのをつかまえてカウンセリングを 受けたい旨話した。 「カウンセラーがいらっしゃるのなら、カウンセリング…

私が探していたのはあなた カウンセラーとの出会い

私は四人部屋だったが、一人の人は食事に出る他は、ずっとカーテンを 閉め切って寝ていたので全く接触がなかった。 他の二人(相沢さん 伊原さん 仮名)とは良く話をした。 その二人については患者図鑑で触れようと思うが、 二人と話して得た大きな収穫が「…

売店まで行ってもいいですよ ー行動範囲が広がるー

寝る→食堂まで歩いて行き、食事を取る→寝る のサイクルが続いた。食堂まで歩く事、朝夕着替えたり顔を 洗うだけの事が、酷く負担で大仕事だった。 一週間ほどたってやっと人心地ついた。周りにも目を 配る余裕も出来て来た。入院しているフロアの端から端ま…