そううつ色々図鑑ーメンヘラ歴1/4世紀ー

双極性障害持ちゆえに出会った色々な人たち、出来事について。精神科入院生活の有様。サイテーな家事・育児についても。

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

患者図鑑55 クレーマー クレーマー2

外出から帰ってきた羽田さんが「成果」「戦利品」を得意げに披露するのを 聞く一方であったが、ある時羽田さんが「天誅を下す」のを目の当たりにした。 病院の患者が愛用する、近くにあるRスーパーに utuutuyasuyasu.hatenablog.com ちょっとした物を調達に…

患者図鑑54 クレーマー クレーマー1

1970年代に「クレーマー クレーマー」という米映画があったようだ。これは ミスタークレーマーとミセスクレーマーの離婚裁判の話らしい。 私はてっきりいわゆる文句をつける人、クレーマーの話だと思っていた(笑) もし、「クレームをつける人」の意で「クレ…

患者図鑑53 禁断の外出2

複数で、人目のある所で会うのは全く構わなかったが、人目のない空間で野津さんと 二人きりになるのは不安だった。 そもそも、外出届で行き先に「野津さん宅」と書けば確実に却下されるだろう。 私が外出届について指摘すると、野津さんは「適当に、買い物と…

患者図鑑52 禁断の外出1

外出の可・不可は主治医の判断による。不可であれば勿論病院内にいるしかないし、 可であっても出かけない人もいる。 私は初めは様子見で院内にいるように言われたが、そのうち半日外出→一日外出→外泊とステップを踏んでいった。外泊(自宅泊)も、一泊から…

患者図鑑51 机上の空論4

精神科医にも「人間ってそんな教科書通り行かないよ」と思わされた。 三井医師には、良く「安井さんくよくよ悩むものねぇ」と言われた。 utuutuyasuyasu.hatenablog.com 全く持って事実なのだけれど、じゃあ三井医師はくよくよ悩むことはないのか? 私は病的…

患者図鑑50 机上の空論3

以上が根来さんの家庭事情だが、私もうつに苦しみ始めてから各所で 「机上の空論」を感じ、それに苦しめられて来た。 第二子出産後、うつで二谷医師(産婦人科)を受診し utuutuyasuyasu.hatenablog.com 「最近のお母さんは大人になりきらないで子供産んじゃ…

患者図鑑49 机上の空論2

弟の良介は長男だった事に加え、体も弱かったので殊に大切にされた。 一家5人分の家事をするのは母と久美さん。祖母は足腰が悪いと監視役に徹した。良一氏は勿論、良介も指一つ動かさない。久美さんは家事も頑張ったが、手際が悪い、遅いと始終絶えず祖母か…

患者図鑑48 机上の空論1

「毒親」に悩まされてきたのは検見川さん utuutuyasuyasu.hatenablog.com だけではない。根来さんの場合は、絶望的な喜悲劇だった。 根来さんは父方の祖母、両親、弟との5人家族で育った。父(良一氏)は学者で 母は専業主婦。弟は3歳下だった。 祖母は生ま…

患者図鑑47 病院選び

私はB病院の外来に通っていて、そのまま病棟に入院の流れであったが、入院患者すべてがその過程を通って来た訳ではなかった。 寺池さんは、あるクリニックに通っていたが、そこは入院設備がない。病状から入院の必要が生じて、医師同士が知り合いであって紹…

患者図鑑46 VIP患者

食堂で雑談していた時、「情報通」の島崎さんが「ねえ、W社って知ってるよね?」 と話を振ってきた。勿論、W社は誰もが知る大企業だ。 「男性棟の個室にW社の寺池社長が入院しているんだって」と言う。 私は思わず「えっ」と声を出してしまった。あの有名なW…

患者図鑑45 withマスク

コロナ禍の続く中、マスク姿は当たり前になった。しかし、私が入院している頃はそうではなく、病棟内でマスクをしている人は皆無だった。前に書いたように、風邪などに罹患すれば個室に隔離され、咳が出ないように、マスクが必要ない状態になってから解放さ…

今週のお題「冷やし◯◯」

今週のお題「冷やし◯◯」 食べ物じゃないんだけど、「頭を冷やせ!!自分!」です。 私は結構カッとする面があって、相手の言動に納得が行かなかったり不満があり、スイッチが入っちゃうと、もうマシンガンの様に相手を撃ちまくります。勿論口でです。 手は出…

患者図鑑44 未亡人

入院中に仲良くなった立川さんと千倉さんの共通点は、お二人とも夫を亡くされていた 事だった。それから重度のうつになり、なかなか回復できないのだと言う。 詳細は少し異なっていた。立川さんの場合は急死で、本当に突然の出来事だったのだとか。末娘の結…

患者図鑑43 院内エクササイズー淋しい回遊魚ー

病院にいると運動不足になりがちだ。作業療法でも体操のプログラムがあったが 週に一度数時間程度。たまに外部からヨガの先生が来る事もあった。 あとは、広いスペースは屋上だけなので、そこででバレーボールもどきをやっている人がいたり、屋上の塀にそっ…

患者図鑑42 病院の怪談5

もう一つ怪談があった。B病院は外来と病棟が完全に分かれている。普段は厚い壁で仕切られ、お互い交流する事はない。 しかし、夜に限っては外来のロビーに非公式に行く事が多めに見られていた。外来のロビーは広く、また待ち時間用に雑誌が何種類かおいてあ…

患者図鑑41 病院の怪談その4

北野氏の話は古株の二人も知らなかった。かなり前の事でもあるし、病死であれ自死であれ、出来るだけ他患者へは知らせないようにするものだろう。 ところで、自殺現場の「角のトイレ」では怪異体験は私もなかったし、他患者もなかったが、「あそこはおかしい…

患者図鑑40 病院の怪談その3

小谷さんは、ご両親などのサポートもあり、精神的に大分持ち直して退院していった。 明るい顔で「離婚、成立しそうです!」と報告に来てくれた。 怪談の本題に戻ろう。自殺の話を出したのは、患者同士で雑談している時に、 何度もB病院に入退院を繰り返して…

患者図鑑39 病院の怪談その2

前回、北野氏の死因としてまず自殺を疑ったと書いたが、精神科在院患者の死因第一位は自殺というデータがある。 www.jstage.jst.go.jp 入院仲間でも自殺を試みた人は何人もいたし、入院中も一度自殺未遂があった。小谷さんという30代の女性だが、夫との不仲…

患者図鑑38 病院の怪談その1

気がついたら、記事数200超えてました\(^o^)/ 読んで下さる、来訪して下さる皆様のお蔭です。本当に有難うございます。 今回、暑いので怪談… という訳でもないのですが… 入院中、何気なく「B病院」で検索をしていたら「北野孝 B病院にて死去」 という記事…

患者図鑑37 病院ライブラリー

入院していた精神病院、B病院には図書コーナーがあった。と書くと、ミニ図書館のようだがそんなに大層なものではない。ようは入院患者が不要になった本を残して行ったものが、まとめて置いてあるだけだ。なので、ベストセラーになったような本ならば複数冊あ…

患者図鑑36 談話室の新聞

男子棟女子棟分かれているが、その間に談話室があり、そこは男女とも利用する事が出来た。面会者も病室のあるエリアまでは入れないので、ここで患者と面会する。 談話室にはソファ、テレビ、新聞が置かれていた。新聞は全国紙で毎日朝に当日の 物に変えられ…

患者図鑑35 栄光の架橋

患者が時間をつぶすのは「食堂」「談話室」「屋上」の三か所なのだが、 沢口さんという男性患者は、特別?な場所を許されていた。 病棟の裏のちょっとしたスペースがそこで、沢口さんがそこにいることは 彼の朗々とした歌声から知る事ができた。 沢口さんは…

患者図鑑34 倉石さんと巨大なリュック

榎さんの貴重品を手離さない話で思い出した。 utuutuyasuyasu.hatenablog.com 持ち歩きで言えば、もっと有名人がいた。倉石さんという男性患者だ。 男女で棟が分かれているので、倉石さんを見かける事はあまりになかった。 作業療法室でごくたまに、また屋上…

今週のお題「人生最大のピンチ」その2 生命の危機!?

今週のお題「人生最大のピンチ」その2 前回はあわや就活全滅??無職の危機だったが、今回の話の方が命にかかわる のでピンチ度は高いかもしれない。 社会人になってから休みを取って友人と海外旅行をした。行き先は某アジアの発展途上国。事前にガイドブッ…

今週のお題「人生最大のピンチ」その1

患者図鑑はちょっとお休みして、今週のお題「人生最大のピンチ」 私の大学生の時の就活の話である。 大学四年生になり(当時は四年から就活というゆっくりペースだった) 就職活動を始めた。昭和は、女子は現役・自宅からでないとかなり不利という時代。 私…

患者図鑑33 洗濯事情その2

屋上は男女ともに出入り出来、そこで談笑したり、ぼーっとしたり、いつも男女共に人がいる。 私は一応気を使い、下着類は見えない様、バスタオルの裏に干すとか、小物干しでぐるっとタオルを周りを囲んで干していた。 しかし中には堂々とショーツやブラジャ…

患者図鑑32 洗濯事情その1

各フロアに一台ずつ(男子棟に一台、女子棟に一台)洗濯機があり、各自洗濯が出来るようになっていた。 中には家族に洗濯物を持ち帰って貰っている患者もいたが、自ら行っている人の方が多かった。 洗濯機を回せるのは、起床時間から消灯時間の間。洗濯機の…

患者図鑑31 持ち歩きセーフティボックス

病室の床頭台には小さいセーフティーボックスがついていた。前の記事でも書いてきたがB病院は解放病棟で、主治医の許可さえあれば自由に外出・外泊出来たので、お金も必要なので手元においておく必要がある。各自セーフティーボックスで自己管理する事になっ…

患者図鑑30 お風呂事情その3

池野さんに「安井さん、湯船入ってる?」と聞かれた。「うん、毎回じゃないけど入ってるよ」と答えた。 「お勧めできないな。私は入ってないよ。それと足ふきマット気を付けて」と池野さんは言った。タオル等は各自用意する事になっていたが、唯一浴室から更…

患者図鑑29 お風呂事情その2

渡辺さんは双極性障害1型で入退院を繰り返している人だ。躁状態の時には 毎日のお風呂をとても楽しみにし、「A浴室が一杯で、Bになっちゃったー」 (A浴室の方がB浴室より若干広いので人気があった)「朝一の枠が取れたわ!」 など、良くはしゃいで話してい…