精神疾患ー逃れられない偏見ー
三井クリニックから転院しようと思ったのは、病状が改善
されなかったのが一番の原因であった。
しかし小さな要因として、居住エリアにあったので知り合いに
会ってしまう、という事があった。
クリニックは精神科単科クリニックである。
まぁまぁ混んでいるのだが、ある時町椅子に敏記(長子)の
同級生のお母さんの顔を見つけてしまった。
会釈し、その時もその後もお互い何事もないように過ごしたが。
有名人の心の病気のカミングアウトの報道も珍しくない今、
心の病に対する偏見は減ってきていると思う。
心の病を患う当時者として、本来ならばその偏見をへらすべく
動く事が正しいのであろう。
しかしいまだに私は自分の病気について
周りにカミングアウトしていない。
知っているのは病院友達と家族だけだ。
入院した際も子供の学校関係などには本当の理由を伝えていない。
逃れられない偏見、というのは私自身が自分が当事者でありながら偏見を
持ち、それから逃れられないという意味である。
追記:検索していたら、うつやノイローゼは「空気感染する」「伝染病」と思われて
いた時期があるとのこと。なので、家族内に患者が出た場合はそれこそかん口令で
ひた隠しにされていたと言う。
私の親戚にAという女性がいる。若い頃(昭和20年代)ある男性と結婚話が持ち上がったが、彼の祖母が精神疾患を持っていることが分かった。Aの両親含め親戚中の猛反対にあい、泣く泣く結婚を断念したと言う。祖母は病院でなく、家に閉じ込めたような状態にあったという。相手も祖母が原因で断られるのなら仕方がない、と諦めた
そうだ。
今のように芸能人やアスリートがうつを公言し、駅前に心療内科や精神科のクリニックが歯医者が立地する現代とは隔世の感がある。