ヘルパー図鑑14 ドケチ一代記 ートイレ禁止 エアコン禁止ー
どのヘルパーさんにも、初回は台所の使い方を軽く説明するのだが、どの方だったか
「お湯のスイッチはここです」といったらひどく驚かれたことがある。
「お湯、使っていいんですか!?」はい、どうぞ。
エアコンのスイッチを渡して、「今エアコン入れてますが、設定は
ご自由に変えて下さい」「エアコン入れていいんですか!?」はい、どうぞ。
彼女が援助に通っている高齢者宅ではお湯を使う事も、エアコンを使う事も
禁じられているそうだ。理由は「勿体ないから」
彼女は夏は暑い中汗をかきかき家事をし、冬は水の冷たさに耐えながら洗い物を
すると言う。利用者は、エアコンの効いた部屋でTVを見ているらしい。もちろんお湯も使う。
「それって、あんまりじゃないですか?」
それどころか、昼間は電気をつけないように、水とトイレットペーパー節約のため、トイレも使用禁止。なので、援助に入る前は水分を控えるようにしているとか。
他にも、ドアの前でヘルパーを待ち構えていて、1秒でも遅れようものなら矢のように
文句を言ってくる利用者。
調理の支援で、何度も味見を繰り返し、OKを貰うまで30分も要する利用者。
掃除が十分でないと、姑が埃を指でチェックするのを地で行く人。
色々な人がいるようで、ヘルパーも苦労の多い仕事だと嘆息した。