そううつ色々図鑑ーメンヘラ歴1/4世紀ー

双極性障害持ちゆえに出会った色々な人たち、出来事について。精神科入院生活の有様。サイテーな家事・育児についても。

ヘルパー図鑑31 家事援助利用法

現在は「すずらん」(仮称)という有償家事援助サービスにお願いしている。

調理は頼まず、片付け・掃除、時に洗濯物干しや畳みを頼んでいる。

子供も大きくなり、家事の量も減ったのでそれで何とか回るようになった。

馬場さんも話されていたが

utuutuyasuyasu.hatenablog.com

調理は家によってそれぞれ基準や好みも違うので、対応する方も

大変だと思う。一方食事は生きていく上でとても重要な事なのでおざなりに

は出来ない。停滞すると困る事第一で、援助を要する家事筆頭である。

しかし、「ひまわり」や「つばき」の利用でが作る料理が本当に多種多様なことに

驚かされた。子供がいるのでちゃんとした食事を取らせたい とのリクエストは同じなのに。

調理は利用者援助者双方に取って悩みどころだと思う。

 

私が有償家事援助サービスや家政婦に頼んで感じたのは、費用と能力は比例する

ことだ。家政婦はそれを職業とし相当の報酬を得ているので、それなりのスキルを伴っている。スキルのブラッシュアップにも余念がないように見受けられた。

有償家事援助サービスの人は自分はしょせんボランティア、安価な対価でやっているのだからと責任感もスキルアップしようという気持ちも薄いように感じた。

また、慢性的な人手不足から、事務局もあまり厳しい事を援助会員に言ったり要求

していないようであった。

有償家事援助サービスも、成り立ちから理念や集まってきている人が異なり、団体

ごとの色合いの違いを感じた。

利用する際は、成り立ちや援助会員の人数や年齢を参考にするのは大切

だ。年齢の行った方は家事のベテランではあるが、反面体力があまりなく

かつ「自分流」を変えようとしないきらいがある。

30~40代は体力はあるし柔軟性もあるが、お子さんがまだ手を離れる年齢で

ないので、子供関係で休まれたり中断される事がある。

援助団体や援助会員は、あまり遠くでない方が何かと便利だ。とは言え、近すぎると

ご近所さんで普段顔を合わせてしまったり、共通の知人が生まれ気まずい結果に

なりかねない。「ほどほど」の近さが良いと思う。

下調べをしたらしっかりと説明を受け、質問や疑問を解消した上で契約をする。

とは言え、実際スタートすると人対人の事、密室の事なのでなかなか大変だ。

自分自身でも100%の家事は出来ないのだから、相手に完璧を望むのは無理がある。

そもそも掃除はどこまですれば終わりなのか、料理は何品作ればいいのかなど

ゴールは人さまざまで、同じ事をお願いしたつもりでも、人により結果が全く違ってくることはざらだ。相性もとても大事である。

私が「つばき」のメンバーに同一の事ー家族構成や食事に関するリクエストを伝えても、作って下さる料理がびっくりする程多種多様であったのは既に触れた通りだ。

ここだけはお願いしたい、譲れない部分を明確化しておくのは大切に思う。

一方妥協も必要で、時には寛容に、相手のリクエスト(この道具を揃えて欲しい、

この物はこちらへ移動して欲しいなど)に応ずる。ある程度は目をつぶる。

しかしどうしても納得の行かない事態が生じたら、事務局もしくは本人にきちんと伝えてみる。相手側の機嫌を損ねたらもう援助に来てもらえないのではないか、という懸念は拭えないので勇気は要るが、言わなければ改善されない。その人が改めてくれることもあれば、人を変えて解決するケースもある。どうしても応じて貰えない、理解してもらえない場合は袂を分かつしかない。

上手く伝えられないようなら、文書やメールにすると簡潔に感情的にならずに

すむと思う。私はとても具合が悪い時は、要望を伝える余力がなかったので

夫に代行して貰ったこともある。

人に動いてもらうにはコツがいる。有償ボランティアはお互いが素人で、雇用関係でもなく、トラブルの種は生まれやすい。

こちらからすると(家政婦より安価であるが)一応対価を支払っているし、ある程度の

責任感と真摯さを持って取り組んで欲しい。

一方、あちらは家政婦を雇えば高くつくところを最低賃金以下のお金でやって

「あげている」。こっちはボランティアなんだから、と上から目線の人も

いた事は確かだ。私は上下関係でなく、水平の、対等の関係だと捉えていたのだが。

ただ、体調が悪い上、家事が出来ない事に対する負い目や自責の念が常にあった。本来は私がやるべきだ、と。なので不満や問題が生じても、交渉や連絡を入れるのがためらわれた。それ自体がストレスで、見て見ぬふりをした方が楽と考えもした。

しかし、不満をためこむとそのうち爆発する。そもそも何で来てもらっている意義に

疑問を感じる場合は、基本的な所から向き合う必要がある。

ともかく「人を使う」のは大変だ。

 

しかし、実は上手く家事援助サービスを使う以前に乗り越えなくてはならない

ハードルがある。うつで家事が滞る場合、「主婦・母親失格」、だらしない、

怠け者、心が弱いなど自分を責めがちになる。

人に頼るなんて、お惣菜を買ってくるなんて、保育園に預けるなんて。

自分で自分を責める事もあれば、身内や周りの人から非難される事も

あるだろう。

メンタルの病気は目に見えないし、理解を得にくい。

例えば私は調子が悪くなると、過食過眠になる。たくさん食べて寝ても

活力は湧いてこないし、疲労も取れないのだが。食べるのに、寝てるのに

具合が悪い?熱もないし、どこか痛い訳でもない。

頑張らなくちゃと自分に鞭打ち、外部からの助力に罪悪感を感じる。

この罪の意識を乗り越えるのがまず難所だ。

例えば手術を控えた母親が、妻が家事援助サービスに頼ったり、インスタントや冷凍食品に頼ったからと言って非難する人はいないだろう。

精神科であろが、内科であろうが外科であろうが病気は病気なのだ。

休息を取ったりストレスから解放される権利がある、と腹を括るのが大事な

第一歩だ。