精神科医九人目 (栃木医師)代診と主治医不在
前記事
に書いたように、カウンセラー交代は静岡先生に担当になって貰った事で
無事一件落着した。
人それぞれ個性があるので、七瀬先生と全く同じにはいかなかったが、違うアプローチ
であっても、きちんとした信頼関係を築けていると思っているので不満はなかった。
ところで、カウンセラーが休診(と言うのだろうか)になることは滅多にー
というより私が経験する範囲で皆無だったのだが、医師の休診は時たまあった。
学会が入ったり、急用だったり、医師の体調不良だったり。
予め休診が決まっている時は極力その日を避けるようにしていたが
急な休診もあった。受付をすませ、診察室の前に行くと扉に「五藤医師本日休診です 代診は○○医師です」の張り紙があり、びっくり、そしてがっかりさせられた。
A病院もB病院も規模が大きく、精神科の医師が複数いたので、誰かしらが代診する体制が取られていた。
あちらも、いきなり初対面だけれども初診ではない患者が来たらとまどうのだろうか、いや代診には慣れているのだろうか?少なくともこちらは当惑する。
カルテはあるので、投薬や病名など見てはいるだろう。しかし、たくさん患者が来ていて、時間が限られている中全て目を通すはずもない。私もどこから、どの程度説明すれば良いのか見当がつかない。
また長年同じ患者を診ていれば「いつもと違う」とか「今日はちょっと元気がない」など医師も気づくし、そういう指摘を受けることもしばしばだった。しかし初めて会うのではそのような判断の下しようもない。
結局代診の医師も私も、大きく踏み出すことはせず前回の診察を踏襲して「様子見」
「お茶を濁す」結果に終わっていた。
代診だった日は無駄足を踏んだ気持ちがして、帰路ため息をついたものだ。
ところがB病院に入院した時に知り合った川端(仮名)さんに、彼女が以前通っていた
病院の話を聞いて驚いた。
ある程度規模の大きい精神科単科病院なのだが、医師ローテーション制というのだろうか、同じ曜日に受診しても、行くたびに診る医師が違うのだという。
カルテは共有されているものの、前回の川端さんと今回の彼女を比べられるはずも
なく、また一から医師に説明するのも大儀で「毎回表面的に、なぁなぁで終わってしまった」と感じていたそうだ。
それは毎回代診のようなものだ。長く同じ医師に診て貰うからこそ、体調の変動や
薬の効き目も観察できるのだし、こちらもラポールが形成されている間柄
なので色々深い所まで話すことが出来た。
毎回初対面では、打ち解けられず緊張するままで終わってしまうのではないだろうか。
その居心地の悪さは川端さんも感じていて。引っ越しを機にB病院に転院し
同じ医師に診て貰う事で随分気持ちが楽になった、と言っていた。
と言っても同時に主治医栃木(仮名)医師への文句や不満も口にしていたが(笑)