そううつ色々図鑑ーメンヘラ歴1/4世紀ー

双極性障害持ちゆえに出会った色々な人たち、出来事について。精神科入院生活の有様。サイテーな家事・育児についても。

スピリチュアル図鑑8 霊感タロットー転勤への決断ー

夫がD県への転勤が決まった時の事である。

utuutuyasuyasu.hatenablog.com 上記の記事のように、結果的にはとても楽しく、平穏に過ごせた。

しかしそれは無事終わったから言えることであり、転勤前の不安は非常に大きかった。

知り合いの一人もいない地で、助けが必要になったらどうしたらいいのか。

子供の学校は。うつの治療は。

考えれば考えるほど、心が千々に乱れてまとまらない。

選択肢としては「家族全員でD県に行く」「夫のみD県に行き、私と

子供は残る」しかない。

しかし、夫が単身赴任した場合、家事・育児を私一人が担う事になる。

色々な不安や不調も夫に聞き手になってもらっていたが、それも出来なくなる。

夫は、どうしても不安なら単身赴任をするので、医師と相談したり

自分で考えて答えを出してと言った。

主治医・五藤医師の意見は、夫と離れる事で不安も大きくなるだろうし、D県でも治療を続ければ良いのだからと転勤先に付いて行くことをすすめた。

とは言え、実際暮らしてみたらどうなるかは五藤医師にもわからない。

主治医でも未来の事は見れない… そう、未来の事を見るとすれば占い。

タロット占い

 

という訳で、また色々評判を調べた上で「霊感タロット」に相談に行く事にした。

その占い師は喫茶店で占う人だった。今回はうつが良くなるには、という相談では

なく「転勤に付いていくべきか、残るべきか」の二択。ある意味非常にシンプルな

相談事だった。

占い師(女性)は、私の相談を聞き、タロットを操り始めた。

「あ、転勤について行くの、駄目ですね。あなた相当辛くなりますよ」

夫は、判断は私に任せるといいつつも、家族で転勤先に行きたい希望が強いのは伝わっていた。家族は一緒にいたい、というごく当たり前の気持ちからなのだけれど。

子供も夫にとてもなついていたし、出来るなら両親が揃っている方が良いだろう。

「仮に付いて行くとどうなりますか」

「転勤、どのくらいの期間になりそうですか」

「2年~3年だと思います」

そこで彼女はまたカードを切った。

「付いて行ってもそうですね… 持って一年だと思います。一年前後で辛くて

帰ってくることになると思います」

曖昧な判断を下されるよりは、このようにきっぱりと断言してくれたほうがすっきり

はする。ある意味、小気味良い。けれど、付いて行くことにこのように暗雲が立ち込めるとは。

私はがっかりしながら帰途についた。

実は転勤に付いていっても大丈夫、と言って欲しかったのだ。もしくは辛い事も

あるけれど、○○をすればそれは何とか乗り越えられるというアドバイスでも良かった。

しかし、彼女はD県行きに大きなバツを付けた。

占い師が転勤について行かない方がいいと言った と夫に伝えたとして、夫が納得

するはずもない。でも、あんなに不幸が待っていると断言されてD県行きを決行するのも勇気が要った。

迷っているうちに、どんどん異動の日は近づいてくる。転勤への躊躇いを言い出せないうちに、夫は一旦D県に挨拶に行き、住む家を決めて来た。

帰って来た夫の顔はとても明るかった。「家、すごくいい所だよ。静かなところにあるけれど、学校もスーパーも近いし。庭もあるから子供たちも喜ぶと思う」

住む家の写真を見て、子供たちも喜んだ。マンション住まいの子供にとって、庭のついた一戸建て(二階建て)はとても魅力的に移ったようだ。

嬉しそうに家の写真を見ている夫と子供の顔を見て、私はD県に行く事を決めた。

占い師は行ったとして、持って一年と言ったが、その時はその時だ。

暗い予言は誰にも言わず、心の底にしまい込んだ。

結果、D県での生活が今でも思い出すほど楽しかったのは上の記事に書いたとおりだ。

実は一年経った時、「持って一年」の言葉が心をよぎった。が、その時はとても順調に生活していたので、もういちど占い師の言葉を深くしまい込み直したのだった。