スピリチュアル図鑑17(兵庫先生)霊を降ろすー語らぬ祖父
占いの館に所属したり、大々的にHPを持っている占い師より口コミでひっそりと
占っている人の方が信頼性があるのでは、と思った話は以前書いた。
ある占い系掲示板でAさんとBさんという二人の女性が●●県の兵庫(仮名)先生いいよね、と話題にしていた。口コミのみの兵庫先生は、上記のような基準からすると魅力があった。
SNSから知って、先生の電話番号を教えて貰い訪ねるのは、鳥取先生に見て貰った課程と同じだ。
兵庫先生に指定された住所は隣県ではあったけれど、かなり奥に入った所だった。
私はその地域を訪れるのは初めてだった。
アパートの一階の一室が鑑定する場所だった。入室すると、見事なまでに生活感
がない。特に聞きはしなかったが、鑑定用に借りているのかもしれない。
兵庫先生は30代半ばくらいに見える男性で、カジュアルな格好の、気さくな雰囲気の
人だった。
霊感があって、道具を使わず占う。霊感占いと言うよりは霊能者に近いのだろうか。
私の悩みを聞いて(うつについて)しばらくうつむいて沈黙した。
「あなたを心配して、お祖父さんが来ていますよ」父方の祖父は早くに亡くなってしまったが、母方の祖父にはとても可愛がってもらった。
「どちらの祖父ですか?父方の祖父はあまり知らないのですが」(ここでこちらから
情報、ヒントを与えてしまっているのは失敗である)
「お母さんの方ですよ」
「友泉ちゃん」と可愛がってくれた祖父を思い出して涙が出て来た。
「祖父は、何て言っていますか?」
「何もお話しされてませんね。ただにこにこしてあなたの隣に立ってます」
今一つ合点がいかない。私がこんなに苦しみ、悩んでいるのが祖父に伝われば
慰めでもいい。励ましでもいい。何か言葉があるのではないだろうか。
祖父はそういう人柄でもあったから。
「祖父、どういう様子ですか」
そこで兵庫先生が祖父の様子を語り始めたのだが、これが良くここまで外すなぁ
と感心する位、祖父の容貌とは異なっていたのだった。
「お祖父さん、ふっくらとして恰幅のいい方ですね」→祖父は痩身で長身
「髪は薄く」→晩年まで髪は豊かだった
「はっきりした、彫の深いお顔立ちです」→いわゆる薄い顔
気持ちが萎えて来た。仮に今から言葉を発したとしても到底信用できない。
ちなみに父方の祖父も写真で見た事があるが、そちらもまた当てはまらない。
他にも色々「霊視」からのアドバイスを貰ったが、祖父の事で気が削がれて
耳に入らなかった。
帰りにスマホで検索したら、近場に評判のいい和菓子屋さんがあった。
そこでおいしい和菓子を買って気を取り直した。