そううつ色々図鑑ーメンヘラ歴1/4世紀ー

双極性障害持ちゆえに出会った色々な人たち、出来事について。精神科入院生活の有様。サイテーな家事・育児についても。

患者図鑑13 ジュエリー近田さん

ジュエリー 

B病院では危険物(刃物、紐類)の持ち込みは禁止されていたが、貴重品は

その限りではなかった。外出や外泊も出来るので、お財布を手元に置いている

人は多かった。床頭台にセーフティーボックスもついていた。

とは言え、「お財布やキャッシュカード以外の貴重品の持ち込みは安全上ご遠慮

下さい」と入院の際に説明を受けていた。例えば実印や銀行印、通帳と言った物を

持ち込んでいる人は見かけなかった。

しかし、患者の一人近田(仮名)さんはいつも巾着袋を持ち歩き、その中に

沢山宝飾品を詰め込んでいるのだった。

近田さんは、田村さん

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とは違い、日中はTシャツにジャージのズボンが定番だった。Tシャツもブランド物

でなく、ごく普通の物だ。

ただ、巾着袋から出した指輪やネックレス、ブローチなどを複数必ずつけ、時折

付け替えるのである。服装が軽装・普段着なだけに余計ちくはぐで目についた。

田村さんのように、近田さんもアクセサリー一つ一つに一家言あって、「これは

夫がプレゼントしてくれたのよ」「この石は××と言ってね、珍しい物なの」

一度聞いた説明も、一旦巾着袋に収まったものが復活するとまた繰り返されるの

である。

田村さんもそうだが、病院でブランド物の服を着たり、ここぞとばかり

アクセサリーをじゃらじゃらつけるのは何だかおかしいなぁ、と感じていた。

彼女らの長々とした自慢解説を避けていればこちらに実害が有る訳ではないが、

そのようなこだわりや空気の読めなさ、持っている物で自分の存在意義や

プライドを保とうとする姿勢には違和感を感じた。別に病人は着飾るな、という訳ではないけれど。

近田さんは、病院の寝具が粗末だとか自分に合わないと言ってairweaveや羽根布団

を持ち込んでいた。

皆病院の寝具を使用しているのに(私も不満はなかった)、半ば強引に私物の

寝具を持ち込まれ病院でも困っているようだった。

 

B病院は前述したように、個室(差額ベッド代が一日一万以上)もあるし、

精神単科病院は分からないが、精神科のある総合病院なら、豪華な個室や

食事完備のところも選択できる。

近田さんがたくさんのジュエリーを所持して、病院支給の寝具では耐えられないほどの

セレブならば、そのような豪華な(しかし出費もともなう)個室や病院に

移ればいいと思うのだけれど。

セレブ病院でもないB病院の相部屋で、Tシャツ・ジャージ姿でアクセサリーをつけ、

airweaveでないとと文句をつける近田さんにひどくアンバランスなものを感じたのだった。