そううつ色々図鑑ーメンヘラ歴1/4世紀ー

双極性障害持ちゆえに出会った色々な人たち、出来事について。精神科入院生活の有様。サイテーな家事・育児についても。

看護師さんたち+患者図鑑21

看護師

次は看護師さんの話。看護師さんは病棟と外来で全く分かれているので、初対面の看護師さんばかりだった。医師とは基本的に週一回診察で会うだけなので彼女(彼)たちが一番身近な存在だった。しかし皆優しく明るくて、親切な人ばかりだった。私はどれだけ励まされ助けられた事か。

入院患者は大体において自分の身の回りの事(着替えや入浴)は出来ていたし、病気の性質上点滴を替えたり包帯交換等はない。しかし、時に理不尽なトラブルを起こす患者をなだめたり諭したりしながら夜勤をこなす彼女たちを私は尊敬していた。

入院生活が長くなるにつれ、仲良くなって雑談や軽口も叩くようになっていった。

しかし、看護師さんたちは引くべき線はきちっと引いていて、ルール違反・人に迷惑をかける事・治療の妨げになる事は厳しく注意していた。

反面落ち込んでいる患者の話し相手にもなってくれ、良くナースステーションで涙を拭きながら看護師に訴えている患者の姿を見たものだ。

2:8くらいの割合で男性看護師もいた。聞いた話だが、精神科には比較的男性看護師が多いという。理由としては暴れたり、押さえつけなくてはならない場合男性のほうが腕力があるからだそうだ。

男性看護師の一人、取手(仮名)さんは角刈りのゴリマッチョで聞けば子供の頃からずっと柔道をやってきた黒帯だとか。「県大会も出たんですよ。得意技は寝技です!」と嬉しそうに話してくれた。少林寺拳法もかじったそうだ。確かに彼の腕をもってすれば乱暴な患者さんも制圧できそうだ。しかし、B病院では拘束が必要な患者はついぞ見かける事はなかったので、取手看護師も腕のふるい所がなかった。

同じく男性看護師の山内(仮名)さんは、いまどきの若者という形容がぴったりだった。少し染めた髪にゆるくパーマをかけて、スリムでスタイルが良かった。

B病院広し(?)と言えども、イケメン枠は獅子谷医師と山内看護師くらいしか居なかったので、良く話題にあがった。

ある時「山内さんと堀河(仮名)さんが手を繋いでいた」と言う話題で病棟が

湧いた。20代半ばに見える山内看護師に大して、堀河さんは30後半の患者でとても地味で大人しい人だった。あまり話さない人だったので、私生活については分からない。

「山内さんと堀河さんじゃ釣り合わなくない?」「手を繋いでたって見間違いじゃ?」

皆好き勝手な事を言い合った。

「お年寄りを介護するみたいな感じで、手を引いていただけじゃないの?」と言う意見が出て、大笑い。何故かそれが一番しっくり感じられた。

ある時ふと気づくと山内さんを見かけなくなって、他の看護師に聞くと「辞めましたよ」との事。堀河さんも退院してしまい、手繋ぎの真相は開かされずに終わった。