ヌシ部屋の住人ほどの濃い人間関係は置いておいて。
A病院に入院した時もB病院に入院した時も、初めは不安でとても心細かった。
精神科の入院という未知、かつ先の見えない状況。例えばお産や扁桃腺なら
こういう経過をたどって何日経ったら退院という地図が描けるが、精神の病状は
右肩上がりや規則的に回復していくものではない。
主治医の中ではある程度読めているのかもしれないが。
まずは、同室の人に挨拶だけして、あとは「友達作り」の気力もなく、ひたすらベッドの中にいる。
最低限に課される「義務」、◎だけ、ようようこなす。
少し良くなって余裕が出てくると、話し相手が欲しくなってくる。病院の過ごし方、
病気との付き合い方と言った実用的な事。今後の不安を分かち合ったり、
たわいない雑談をしたり。
まずは身近な所から人間関係を作った。1同室 2食事の席が近い 3作業療法で一緒の人たちに少しずつ話しかける。また、4自由時間で食堂や談話室でおしゃべりをしている人の輪に混ざる事もした。
皆、精神を病んで入院している患者だから、陰にこもり誰とも話したくない、
話しかけないで と無言のオーラを放っている人もいた。
学校だったなら「ねぇ、そんなところに一人でいないでこっちに来なよ!」
と誘うのが優等生的対応なのかもしれないが、ここは病院だ。
そんな事はしない。
私も入院中でなく自宅にいる時でも具合が悪いと、家族にも話しかけられたくない。
携帯に電話がかかってきても無視する。インターフォン(宅配便等)も応答しない。
そういうモードにある人たちは、そっとしておくのが優等生的対応なのだ。