そううつ色々図鑑ーメンヘラ歴1/4世紀ー

双極性障害持ちゆえに出会った色々な人たち、出来事について。精神科入院生活の有様。サイテーな家事・育児についても。

患者図鑑85 駆逐!カルジャダン

謎

渋川さんにとって不倶戴天の敵は「カルジャダン」だ。渋川さんはいつも

いつもいまいましげにカルジャダンへの憎しみと嫌悪を語る。

「カルジャダンがもう頭に来るの。いい加減にして欲しい。もうどこかに行って!」

「いいかげん何とかして欲しいわよね。もう大っ嫌いなの」

さんざん悪口を口にするのだが、肝心の対象ーカルジャダンーが何なのか、渋川さん以外に誰も知らない。いったい人間なのか。日本人なのか外人なのか。それとも虫やイデオロギーみたいなものなのか。

勿論、「カルジャダンって何ですか」と渋川さんに聞いた人は複数いる。しかし明確な答えが返って来た試しはなく、「カルジャダン、本当に駄目なのよ!」と言った返答しか得られない。

検索しても「もしかして カムジャタン」と韓国料理がヒットするだけだ。

そもそもカルジャダンは実在するのだろうか?渋川さんの頭の中にだけ存在する、

いわば想像上の産物ではないのか?そうでなければたとえ、カルジャダンが病院内にいないにしても写真を見せるとか、絵をかいて見せるなどできるはずだ。

それとも、渋川さんに取って不快なもの、不要なものを総称してカルジャダンと呼んでいるのか。それなら、私にもカルジャダンはある。

何となく異国情緒がある、謎の言葉「カルジャダン」。結局退院するまで解けなかった謎がいくつかあるけれど、

utuutuyasuyasu.hatenablog.com

渋川さんのケースもその一つ。渋川さんは私より先にカルジャダンを抱えて退院して行った。

(文中は全て仮名・仮称です)