そううつ色々図鑑ーメンヘラ歴1/4世紀ー

双極性障害持ちゆえに出会った色々な人たち、出来事について。精神科入院生活の有様。サイテーな家事・育児についても。

今週のお題「人生変わった瞬間」1

書

今週のお題「人生変わった瞬間」ー今のわたしを作ったアレ

 

10代の終わりに、博物館で「アレ」を見てから私の人生は変わった。もし自分の年表を書くとしたら「アレ」を見てからの私、「アレ」を知る前の私 で分類したいくらい、画期的な出来事だった。

 

旅行先の博物館で、ある展示が目に留まった。ある人物、仮に近江道成とするーよる書の小品だった。もっと著名な人物の大作もたくさんあったのに、特に書に詳しい訳でもない私が何故それほどその作品に惹かれたのか今でも分からない。そもそもその博物館自体空き時間にふとふと訪れたにすぎなかった。

展示物を順に見て行って、ひっそりと置かれた小さな作品が近江によるものだった。ある漢詩を書いたものなのだが、その筆遣い、色合い、詩の内容、近江道成の短い略歴に足に根が生えたようにそこから動く事が出来なかった。

文化財指定をされている訳でもく、知名度がある訳でもない近江。しかし20で書かれた作品は、何故か私の心を捉えて離さなかった。解説によると彼はその後一年もせずに没している。

漢詩の内容は花をめでたもので、詩の内容の華やかさに比してどこか影のある、美しいが儚げな、流麗な筆致であった。20という年齢で書いたとは思えない円熟ぶりだたt。

 

旅行を終えてから、どうも近江が気になった。旅行中色々な名所を訪ね、展示物も見たのに帰って来てから気になったのは近江のことばかりであった。