そううつ色々図鑑ーメンヘラ歴1/4世紀ー

双極性障害持ちゆえに出会った色々な人たち、出来事について。精神科入院生活の有様。サイテーな家事・育児についても。

スピリチュアル図鑑23 (沖先生)シンギングボウル

私はその言葉を友達から聞かされるまで聞いたことがなかった。

私はメンヘラであるとともに占い好きで、また物好きでもある。

メンタルを病んでいる事は知らないが(私があまり人に言っていないので)

物好きな事を知っている友人まさみ(仮名)が連れていってくれたのが

「シンギングボウル」だった。

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シンギングボウルとは、「シンギング」=歌う・音を出す、「ボウル」=器のことです。
スティックを用いて縁を叩いたりこすったりすることで、独自の癒しの音色、倍音を奏でることができます。

別名、チベットシンギングボウル、シンギングボールチベタンボウル、チベットボウル、ドニパトロともいわれるシンギングボウルは金属製で、ハンドメイドと機械製のものがあります。

サイズは小さなものは直径数センチから一般的には直径10センチ前後、大きなものは直径100センチ近いものまであります。

シンギングボウルが奏でる倍音とは基本的な音の複数倍になっている振動のことで、心地よさやヒーリング効果があるとされています

  国際シンギングボウル協会HPより

シンギングボウルとは|国際シンギングボウル協会(ISBA)|浄化・ヒーリング・ヨガー

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シンギングボウル

「絶対友泉なら興味あると思って!」

まさみは私の腕を引っ張るようにしてビルに入って行った。

ボウルの振動でヒーリング効果がある、と説明してくれるが

ボウル?お料理に使うボウルの事?サラダボウルとか??と理解が追い付いていかないうちにシンギングボウルの販売と、ヒーリングを行う事務所(店?)に着いた。

 

上記のHPの説明のように、さまざまな大きさのボウル、大の大人が立って入れる

ような、盥のようなボウルから、手のひらに乗せられるサイズのものまで

色々なボウルが並べられていた。材質や作り方が違うのか、色もそれぞれだ。

壮観だ、と見とれているとスタッフの人が出て来た。

「まさみさん、こんにちは。今日はお友達とですか?」

「はい、彼女ヒーリングボウル全く初めてなんで!沖(仮名)先生、宜しくお願いします」

まさみは何度かこの店に来ているらしい。

「どのコースにしますか」と先生は聞いてきた。

沖先生によると、この店では

・シンギングボウルの販売

・ボウルを使ったヒーリング

・ボウルの使い方のレッスン

のプログラムがある。自分にあったボウルを購入し、レッスンを受ければ自宅で自己ヒーリングが出来るらしい。

しかし初心者の私にはそれはまだ早い。とすればヒーリングだが、それも

ベッドに寝て、スタッフによる体の細かいチェックをした上で念入りにヒーリングを

するコース、簡易なお試しコースといろいろあるそうだ。

私はお試しコースを選んだ。一応どこか気になる所はあるか、と聞かれた。

始めるに当たって、沖先生は複数のボウルを持ってきた。

「まっすぐに立って下さい。目は閉じた方がいいですね」

言われたとおりにすると、先生はボウルを手にして、鳴らしながら私の体の周りを回っていく。前後、左右、上下。音が変わる。薄目を開けるとボウルを変えたようだった。

また色々位置を変えボウルを鳴らす。

ボウルは体には触れていないのだが、振動が伝わってくる。ボウルを違えると振動は変わる。先生の鳴らし方によっても変わる。初めての不思議な感覚だ。

例えば、右腰のあたりで先生がボウルを鳴らすとする。先生が左に移っても、

まだ右腰に振動の余韻が残っているように感じるのだ。

「眼を開けて下さい」

盥のように大きなボウルに入るように指示された。先生がボウルを鳴らす。き--ん

ご--ん 足の裏から、響きが頭頂部まで伝わってくる。もちろん体の内部へも、だ。極端に言えば、内臓や血管にまで刺激が届いているようだ。こんな感覚は初めてだ。

続きはまだあった。

今度は逆に頭の上にボウルを乗せて鳴らし始めた。これは全身に伝わるというより、脳の中に作用する感覚だ。しかし決して不快ではない。

脳が活性化するかも、と思っていると「終わりです」と先生が言った。

「どうでしたか?」と感想を聞かれた。「本当にびっくりしました。生まれてから

一度も触れられた事のない部分を触られた感じがしました」

そう、シンギングボウルによる刺激は未経験でとても新鮮なものだった。

「さっき話しましたが、自己ヒーリングも出来るんですよ。例えば安井さんが

自分に合ったボウルを選び、使い方をマスターすれば自宅で行えます」

ちょっと鳴らしてみますか?と言われ、さっそく試させてもらう。

同じボウルでも、スティック(ボウルを鳴らす道具)の使い方、

力の入れ具合、ボウルのどの部位を鳴らすかで音が全く変わってくる。

勿論ボウルが違えば違いは顕著だ。

「面白いですねぇ」

そこでヒーリング予約のお客さんが来て、まさみと私は話を中断し退散

する事になった。

「ねっ 面白かったでしょ?」まさみは得意顔だ。

「うん、こんなの初めて知ったよ。ちょっとびっくりだね」

私は物ぐさなので、自己ヒーリングは続けられる自信がない。

ボウルはそこそこ値段がするし、もし盥のようなボウルを購入したらどうやって

持って帰るか(ボウルはかなり重い)、置く場所はあるのかを考えて

しまう。

シンギングボウルについては、その時以来一歩も進んでいないが、存在を

教えてくれたまさみには感謝している。