うつ母のサイテー東大育児8 全寮制という選択ーハリー・ポッター
子供の世話を十分にしてあげられないので、全寮制の学校へ行かせることを考えた
事、その案が夫に却下されたことは既に書いた。
夫は子煩悩であり、子供が自分の手元を離れるなどという選択肢はあり得ない事だったのだ。
私がつらさを訴えると、それならば手伝いの人を雇えばよいという。
それで実際家事援助の人を頼んだりしたのだが(カテゴリー ヘルパー図鑑参照)
週2日2時間程度では、助けとしては十分とは言えなかった。
もし全寮制の学校に入れば、栄養士が考えた手作りの食事。規則正しい生活、躾も教育もプロが指導してくれる。ぐちゃぐちゃの家で寝たきりの母親がコンビニ弁当を与えて
いるのよりも優れた環境ではないだろうかと思われた。
五藤医師や七瀬先生(カウンセラー)にもこの考えについて相談したが、
友泉さんが苦しいのならその選択肢を否定するものではないけれど、家庭の事なのでご主人と良く話し合って下さい、との回答だった。
夫の回答はNOであり、それは変わらなかった。
結果、青息吐息、綱渡りの状態で手元で子供が育てる事になった。
しかしもし夫が同意していたらどうなっただろうか。
今何らかの理由で手元で子供を育てる事が難しい人に、全寮制を考慮する
事は、あながち頭から否定する事ではないのではないか。
検索してみたら、現在全寮制もしくは寮がある学校は
中学校で152校、高校で541校という(令和4年度 Wikipediaより)
思ったより多い、というのが私の感想だ。
全寮制学校とはどういう所だろうか。もちろん学校によりスクールカラーも
違うだろうが、一番イメージしやすいのはハリー・ポッターのホグワーツだろう。
もちろん魔法学校などありはしないが、英国の全寮制学校の様相が見て取れる。
ホグワーツで英才教育を受け、また人脈を築いていく
のは魔法使いとして大切な経験であるし、またハリー個人にとっては
叔母の家で半ば虐待されて生活するよりはホグワーツの寮生活の
方が幸せで恵まれた環境だった。
またおのずと自立心が育ち、自分の事は自分でやらざるを得ないので
自活能力もつくだろう。ハリーに取って、また多くの生徒に取っては
ホグワーツで学ぶことのメリットは大きかった。
しかし、メリットもあればデメリットもある。
一つは学費である。授業料の他に食費等の生活費も含むので
子供が複数いる場合は×人数になるのでそれなりの額となる。
兄弟間の軋轢を懸念すれば、一人を全寮制に入れたら他の兄弟も
となる可能性は生ずる。
愛知県の海陽学園(中・高)のホームページによれば
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授業料73.2万円/年と施設維持・充実費50.4万円/年で123.6万円/年が必要です。また、寮費126万円/年と食費42万円/年を合わせると、合計で291.6万円/年となります。
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上記の学費の場合、うちが二人の子供の6年間分の学費を払えるか?というとなかなか厳しいものがある。
食費や諸生活費、習い事や塾にかける分の必要がないとしても、だ。
また育児は辛くはあったが、子供の成長を見るのは心躍るものであった。
背が伸び、声が変わり、子供から少年、青年へと成長していく。その課程を
追って行くのは親の醍醐味の一つだと私は思う。
その機会を手放してしまうのは迷いの出るところだろう。
また、どんな学校でも向き不向きがある。ハリー・ポッターでも
ハリーに意地悪をする生徒がいたが、彼はロンなどの友人、ダンブルドア
などの教師により救われていたが。
現実世界でも、寮生活や学校になじめず苦しむ生徒もいるのでは
ないだろうか。
やんごとなき方の例えで申し訳ないのだが、英国のチャールズ皇太子は
全寮制学校でいじめにあったという。
寮監や教師とそりが合わなかったり、友達関係がうまくいかない場合、
その場から逃げ出す事が出来ないのは辛い。ホームシックもあるだろう。
折しもハロウ校やラグビー校など、新しい全寮制学校の開校が続く。
色々なメリットデメリットを天秤にかけて、場合によっては全寮制という
カードを手に持っておくのも悪くないのではないか。