そううつ色々図鑑ーメンヘラ歴1/4世紀ー

双極性障害持ちゆえに出会った色々な人たち、出来事について。精神科入院生活の有様。サイテーな家事・育児についても。

スビリチュアル図鑑7 Iさんと奇妙な除霊儀式

落胆や嫌悪(自己嫌悪含め)を繰り返しつつも、私のスピリチュアル行脚は続いた。
今回ははずれだったけれど、次こそは。箱の中にくじが入っていて、何回もはずれを引いているけれど、
いつかは当たりが出るかもしれない。いや、きっと出る。そんな心境だった。

これもネットで知り合った、霊能力をつかって相談に乗るという人(Iさんとする)との話。
最後までお互いにハンドルネームしか明かさなかったので、本当の素性は分からずじまいだった。一応言葉遣いから女性なのかな、とは感じた。
私はハンドルネームと家族構成を伝え、悩み(うつ)につきメールで相談した。居住地も言っていないし、写真も送っていない。Iさんとは徹頭徹尾、ネットでの文字のみのやりとりだった。
Iさんは「それはさぞお辛かった事でしょう。あなたの先祖たちが苦しみ悶えています。
あなたに累が及んでいるのが見えます。ご先祖を慰めることが必要です」とメールに書いてきた。
そしてその為に、とすすめられたのが以下の「儀式」であった。毎朝7時に玄関で東西南北四方に清酒を振る。
やはり四方を火をつけた線香をもって拝む。「これを続けて下さい、これにより先祖は救われます」と
Iさんはアドバイスした。
さっそく翌日から私はそれを実行した。7時に起き、清酒を撒いて線香を点けた。
7時に起きるのは当時の私にはとても辛かった。しかし良くなりたい一心で体に鞭打って起き上がり、一連の「儀式」を終えると寝床に倒れこんだ。
一週間、二週間。祈るような気持ちで、おかしな話だが洗濯物がたまろうが食事の支度がおろそかに
なろうが儀式だけは優先され、毎日続けていた。
私の夫はスピリチュアル方面は全く信じない人だ。占いもやった事がないどころか、寧ろ何故頼るのか疑問に
思うような人だった。
私の行っている行為に絶対同意はしてくれないだろう。7時には夫はもう家を出ている時間だったのを良いことに、内緒にしていた。
ところがある時「玄関でお酒と線香の匂いがするんだけど。何か変な事してない?」と問いただされた。
お酒の瓶や使用済の線香も目に入っていたようだ。
私はネットでIさんという人と知り合った事、Iさんからアドバイスを受けた儀式を行っていることを正直に
打ち明けた。打ち明けながらも夫の同意が得られるはずはないと分かっていた。
「ちょっと、何やってるの。そんなので意味あると思う?それよりなにより、線香の火の始末、きちんと
してるの?その後すぐ寝ちゃうんでしょ?火事になったらどうするの」
火事の心配、得体のしれない人のアドバイスによる得体のしれない儀式を続ける妻を心配し、止めるのは
ごく当然の事だ。
私は儀式を止めた。多分一か月弱続けたのだと思うが、効果は感じられなかった。
にしても、Iさんはお金を要求した訳でも、物を買えと言った訳でもない。何かの団体に入るよう勧誘
された訳でもない。個人情報も要求してこなかった。Iさんはどんな人で、どういう目的で私にあのようなアドバイスをしたのだろう。
今Iさんと連絡を取るすべもなくなり、疑問のまま残っている。
線香で供養