患者図鑑64 友達の作り方6ー躁と鬱ー
一人で居たがる人も常にそうと言う訳ではない。躁鬱の人は、躁状態になると、ものすごい勢いで話を独り占めし、一人で大笑い、騒ぎまくる。(あまり酷いと個室へ隔離となる)
躁が落ち着いて、鬱に入り個室から出てくると、食堂などで皆が座っている席に交わる
ものの、一言も発することなくうつむいている。
精神科病院という環境でなければ、「元気ないね」などと声をかけるところだろうが、
それは病気の範疇、症状なのでみな敢えて触れずそっとしておく。
段々鬱状態が改善していけば、自然と会話に交ってくる。
そう言えば、患者仲間の水上さんが、以前入院していた、双極性障害の宗像さんとのメールのやり取りについて話していた。宗像さんは私とは入院時期がかぶっていないので面識はない。
宗像さんが退院する際、水上さんとメールアドレスを交換したそうだ。普通のやりとり続く時もあるのだが、宗像さんが躁に入ると、長文のメールが一日に何度も何度も入るのだと言う。
「いちいち返事したら、こちらが消耗しきるくらいに来るのよ」
と水上さんは言った。
と思うと、鬱に入ると全くメールが来なくなる。心配になった水上さんが「大丈夫?」
というメールを送っても、返信は来ない。
と思うとまた怒涛のようにメールが来襲するのだと言う。
水上さんも病歴が長く、自分も色々な経験をしているので上手に、振り回される
事無く宗像さんとつきあっているようだった。
(文中は全て仮名・仮称です)