天の助け 蜘蛛の糸
そんな時ぱらぱらとめくっていた育児雑誌に病気で保育園にお子さんを
預けた人の体験記が載っていた。
私は幼稚園出身で、保育園というものが良く分かっていなかった。
仕事している人が預ける所?程度の認識だった。
「病気の人は子供を保育園に預けられるんだ!」「子供を預けられるところが
あるんだ!」
その記事を読んでぱっと目の前が明るく開けたようになった。
それから担当部署に電話をかけたり、子供を抱っこして役所に行ったりして
保育園入園に向けて頑張り始めた。
クリニックに行った際、一ノ瀬先生に「子供を保育園に預けようと思うんです」
と伝えた。
先生の答えは「え!?預けるの?だってお子さんこんなに小さいのに可哀想でしょう」
(当時1才前後だった)
「……………」
このまま育児を続けていくのはあまりに辛く、自信がなかった。
保育園に助けて貰って育児が出来るのならそれがベストと私は確信していた。
ずっと不調と育児の困難を訴え、薬を飲みづづけている私に
「保育園に預けるのはかわいそう」というアドバイスは的確なものとはとても思えなかった。一ノ瀬先生はかなりの年配の男性だった。なので小さい子はお母さんにもとで、という考えだったのだろうか。
しかし不調な母親と一緒にいるのは親にとっても子供にとっても
幸せだろうか。そのほうが双方にかわいそうにならないだろうか。
「預けます」私はきっぱりと伝えた。