うつ母のサイテー東大育児10 一番大切なもの
読書とか学校選択とか色々書いてきたが
一番、根本で大事なのは「家庭がしっかりしていること。家庭が子供にとって
安心出来て、安らぎ、信頼できる場であること」だと思う。
その足元がしっかりしないで習い事だとか勉強だとか小手先のテクニックを駆使しても
砂上の楼閣だ。
なかには家庭環境が良好でないので、それから抜け出すため東大に行こうと
志し、初志貫徹する人もいる。
しかし理想は家庭が円満で、子供にとって無条件の愛情を感じられ、受け入れてくれる
場所であることだと思う。
もし東大に行けなくてもー東大に定員がある以上、全員が行けるわけではない。
良好な家庭で育った子は、違う大学に進学してもその後の人生を充実するもの
にすることが出来るだろう。
自分を信じる力、自己肯定感、努力する力、前向きに進む楽観性、強さ。そういった物を育んだ上での勉強が成果を生み、結果につながる。
では安井家は理想的な家庭だったか?と言われると答えは否である。ブログで
綴って来たように母親の私はうつになって寝たきり状態。家のなかは荒れ放題で
食事はしばしば冷凍食品や出来あい。読み聞かせも十分に出来なかった話は
書いた。
「東大ママの育児」と銘打った、【整った勉強部屋やこれだけ手間をかけて教育をしました】なんて記事を読むと自分の育児のひどさに穴に入りたくなる。
だからこそ「サイテー育児」と掲げているのだが。
私は出来なかった事、してあげられなかった事は本当に多かったけれど
「あなたたちの事が大好き」「愛していて、とても大切」とはいつもいつも伝えていた。
何か子供が作品(お絵描きでも作文でも)を持ってくると、喜んで見て褒めた。
また、私が十分に遊んだりできず寝てばかりいるのは「病気で具合が悪い」からであり、子供たちが嫌いだとか、面倒だという理由ではないことも伝えた。
子供から「何でママ寝てばかりいるの!遊んでよ」「今日も買って来たお弁当?」
と不満を言われた事は多々あった。謝りながらも理由はちゃんと伝えて来た。
もう亡くなっているが小児科医で毛利子来と言う人がいる。育児本も何冊も書いている。毛利先生の本にこんな一節があった。(記憶を基に描いているので細かい文言は違っているかもしれない)「僕の母は心臓が悪く、ほぼ寝たきりだった。抱いてもらったこともほとんどないが、それでも僕は母の愛情を疑ったことはなかった」
毛利先生の育児本は、頑張らなくていいよ、無理しなくていいよ、子供はちゃんと育つよ、と常に母親を励ます内容だった。
先生がこのように母親によりそう立場になったのは、著書にも書いてあったように
母親と先生の関係が愛情で結ばれてたことが関係していると思う。
私は毛利先生のお母様の回想を心の支えにした。寝たきりでも、十分に世話が出来なくても愛情は伝わる、と。
夫も子供がママが遊んでくれない、とぐずると「ママは具合が悪いんだよ」とフォロー
してくれた。
「じゃあいつ治るの?」それも良く言っていた。ごめん、今に至るまで
完治はしていません。
出典は忘れてしまったが家族が何でも言い合えて、笑い合える関係ならほぼほぼ
大丈夫 と何かの本にあった。ともかく教室に通わせられなくても、家事が出来なくても家族の関係だけは円満にと心掛けた。私と夫の間も良好だったし、夫も私も
子供が大好きだった。それを言葉でも伝え、行動でも示した。
ある時子供がふと「うちってみんな仲良しだよね」と言った。
私は心の底から嬉しかった。