小児科医 学者 専門家ー育児法をカスタマイズー
育児に迷った時、かかりつけの医師や保育園・幼稚園の先生に相談したり、育児書をあさったりはどの母親でも経験する事だろう。
しかしそれも場合によっては「毒」になる。専門家や医師の意見が
却って母親を追い詰める結果にもなりうるのだ。
子供が小さい頃、「ラジオ育児相談」を時折聞いていた。年配の男性小児科医
と中年の男性アナウンサーが番組を担当していた。リスナーから来る様々な育児相談に
答えていく形式だった。
その医師は著名なのだろうが、回答が毎回母親を責めるパターンに終わっているのが気になった。
悩むに足りない事であれば「悩みすぎ」と責める。
母親の判断誤りなら「それは違ってます!」と非難する。
迷うこと自体を叱る場合もあった。
質問に答える時間の他に、医師とアナウンサーのフリートークの時間があった。「この頃のお母さん、赤ちゃんを見ていて気になる事」がテーマなのだが、そこでも医者は「お母さんの行動」を色々とあげつらっていた。
抱っこの仕方が、あやし方が、赤ちゃんに着せる服装が。良くここまで
細かくいちいち文句をつけられるなぁと寧ろ感心したほどだ。そしてアナウンサーが「そうですねえ、先生。最近のお母さんのそういう所どうかと思いますよ」と迎合するのだ。
悩み相談どころか悩みを増幅させる番組に思えた。
同じ事を言うのであっても、悩みすぎなら「大丈夫です。悩まなくても平気ですよ」違っているのなら
「こういうやり方をした方がうまく行きます」と言う風に持って行けばいいのに
。フリートークのコーナーに至ってはそんな小さい事どうでもいい、どっちでもいいじゃない
と切り捨てたくなった。
あなたの奥様は、お母様はそんな完璧な育児をしていらっしゃるんですか、と毒づきたくなる。批判するだけでなく、あなた自身は育児に手を出していないんですか、と。
育児法は時代によって、文化によって違ってくる。医学も日進月歩。ちゃんと栄養を与え睡眠をとらせ、入浴やおむつ替えという基本的な事を大きく外さなければ子供は
育つ(と産後うつになった自分が言うのもなんだが)
育児本や専門家のいう事を聞いていると、人によって拡げた扇の端と端ほど違っている。
専門家や医師の間でも意見の相違があるということだ、
●●大教授、××大病院医長の言うことであっても自分が苦しくなるのなら、無理して
その意見を選択する必要はない。
その幅の中で、一番自分が納得が行き、自分が楽になる意見。それを選び取る。そして言う事を完全に遂行するのでなく、他の専門家の意見を混ぜたり、自分の
考えを入れたりして取捨選択し、百点満点を目指さない。カスタマイズしたオーダーメード育児をするのが母親に取っても子に取ってもハッピーだと思う。