そううつ色々図鑑ーメンヘラ歴1/4世紀ー

双極性障害持ちゆえに出会った色々な人たち、出来事について。精神科入院生活の有様。サイテーな家事・育児についても。

ヘルパー図鑑2 (辰倉さん)燃えるヘルパーさん

契約も無事に終わり、毎週2回ヘルパーの来る生活が

始まった。私が卯川さんやヘルパーさんに伝えたのは「ともかく家族に

しっかりとした、栄養のある食事を取らせたい」事。

特に子供は成長期だったので、きちんと食事を作れない状況は

ずっと気になっていた。申し訳なくて仕方なかった。

ヘルパーが来る日の分の夕食を作ってもらう。献立をこちらから指示する場合

もあるようだが、うちは特に好き嫌いもアレルギーもない。「冷蔵庫の

中を見て、好きに作って下さい」とお任せにした。

品数や量が多い分にはかまわないとも言い添えた。男性が3人いるし、

余れば翌日に回すことが出来る。

2時間あればその日の夕食を作り、後片付けまでしても少し時間が余るという。

余った時間はリビング(うちはリビングダイニング)の掃除に

当てて貰った。

色々なヘルパーが来た。様々な年代の方が来た。卯川さんが援助に

入った事もあった。

家事の技量はピンからキリまでで、1を基準とすると0.75分の仕事量の人、

1.8の仕事の出来る人が居た。

1.8分の仕事をしてくれるのは、辰倉(仮名)さんという中年の女性だった。

浅黒い肌をして髪をひっつめた辰倉さんは、あっという間に

多種類の食材を使った、バラエティに富んだ料理を何品も並べた。

余った時間でブルトーザーの用に掃除をこなしていった。

見えにくい場所の積年の汚れまでぴかぴかにしてくれて、私は感謝しきり、

驚嘆しきりだった。

気温の高い日には、台所にはコバエが舞い、冷蔵庫には液状になった野菜

ごみ入れからは悪臭が漂っている我が家。

私はある時辰倉さんに「幾ら掃除して頂いても次回には汚れて… 臭くて汚い家事もさせて、こんなに綺麗にして頂いて本当に申し訳ないです」と謝った。

辰倉さんは快活に答えた。「大丈夫!私、家事が溜まってれば溜まってるほど、

汚ければ汚いほど燃えるのよ!」とガッツポーズをした。

辰倉さんに取って、うちはさぞやりがいのある家だったろう(苦笑)

私は病気になる前も家事が好きな方ではなく、家事が溜まれば燃えるどころか

「明日にしよう」「見なかったことにしよう」と後回しにするタイプ。

なので、辰倉さんを心底羨ましく思い、尊敬した。

そして今のランダムでなく、辰倉さんが週2回来てくれて、彼女のペースで

家事をこなしてくれれば家もどんどん綺麗になって、この上ない味方となる。

私は卯川さんに辰倉さんに固定で来ていただけるよう提案することを決めた。