ヘルパー図鑑1(卯川さん)スパルタ式ボランティア団体「ひまわり」
十勝保健師が連絡を取ってくれて、
「ひまわり」の調整員卯川(仮名)さんが訪ねて来ることになった。
会員になる必要があり利用に当たっての契約や説明の為だ。
人手が足りない(これは有償家事援助団体共通の課題のようであった)ので、
最大で週2回。2時間が限度であること。同じく人手の理由で、同じ人を
固定して寄越すことが出来ない。来るヘルパーばランダムになる。
時には自分もヘルパーとして入ることがある。
援助時は必ず在宅のこと。
援助に入るのは一般の主婦なので、高度な家事は要求しないで欲しい。
苦情や要望、キャンセルなどは自分まで連絡して欲しい。
卯川さんは時々銀縁眼鏡を押し上げながら、てきぱきと説明して行った。
話の締めに、「『ひまわり』では、利用会員への援助を徐々に
減らしていって自立して頂く事を目標にしています。
初めはヘルパー任せかもしれませんが、どんどん安井さんも一緒に
家事がやれるようにしましょう。そしていずれは『援助会員』、
援助する側になって下さい!」
卯川さんは力強く言った。
私はなかなか理解がついて行かず、回らぬ頭で必死に渡されたプリントに目を
通していた。