ヘルパー図鑑29(山梨さん)白い食卓ーさようなら「つばき」ー
和歌山さん 香川さんと「つばき」で落胆させられる事が続いた。
子供たちは「今日、お手伝いの人がご飯作る日?」と聞いてきて、そうだと
言うと顔を曇らせるようになってきた。
そうこうしているうち、事務局から「香川、和歌山に加え山梨という者が入る事になりましたので」と連絡があった。
山梨さんにほのかな期待を寄せた。しかしそれはすぐに打ち砕かれた。
ともかく品数も、量も圧倒的に少ない。例えばみそ汁 ご飯 切った胡瓜
炒めた肉。これで全て。とても足りないので、夕飯の際に冷凍食品を足して補ったりしていた。
あまりの状態が続くので、事務局に電話をし量が足りない事、少し品数を増やして欲しい事を頼んだ。
次に来た山梨さんの作った料理は以下だった。
ご飯 豆腐 しらす かまぼこ うどん サンドイッチ
真っ白の食卓を見て私は泣きたくなった。確かに量も品数は増えている。けれど、栄養バランスも良くないし、半分以上出しただけの冷たい切っただけのおかず。こんな悲しい食卓はなかった。
山梨さんは年齢的にお孫さんがいたとしたら、ちょうどうちの子くらいだろう。
お孫さんたちにこのような料理を出しているのだろうか。
何の為に有償援助に来て貰っているのか分からなくなった。
もう「つばき」に頼るのはやめよう。そう決心を固めた時、折しも
夫の転勤の話が出た。私はためらいなく「つばき」に利用終了の電話をかけた。