ヘルパー図鑑30 (愛知さん)労使交渉
色々疑問を持った三重医師であるが、一つ間違いなくお世話になった事がある。
家政婦の紹介だ。D県と違い、何事も不得手の運転でこなさなくてはならない環境は私にとって大変厳しかった。
ある時、受診時に以前は有償家事援助サービスを利用していた事。
G県に来てから、買い物なども一仕事でとても困っている事を相談した。
三重医師は夫人と二人暮らしであったが、高齢かつ共働きなので家政婦を
雇っている由。ただその人が請け負うのは掃除だけだけど良ければ紹介すると言われた。家政婦紹介所には所属せず、フリーとの事だ。
ちょうど体も疲弊して、家が散らかりかけて来た頃だったので二つ返事で紹介を
お願いした。
三重医師宅とかけもちなので、来られるのは週一回3時間。片付けと掃除。時給は三重医師宅と同額と予め条件を決めた。
家政婦さんは愛知(仮名)さんと言い、40代に見える見上げるような大柄の
人だった。うちに来て、あまりの散らかりように目をむいた様だった。
三重医師宅は高齢者二人暮らしなので、さして汚れたり散らかったりしないの
であろう。
3時間経ち、かなり家の中は綺麗になった。愛知さんとはその都度現金で支払う
と決めていたが支払いの時点になって彼女は言った。
「時給●●円としましたけれど、今日はあまりに散らかっていました。片づけるのが
大変だったので××円上乗せして下さい」
まぁ確かに人がびっくりするくらいの散らかりよう、汚れようではあったけれど
一応金額は決めてあったので当惑した。
でも続いて「今回ある程度片づけましたので、次回からはそれほど大変では
ないと思います。今回だけ△△円頂きます」とも口にした。
少し待ってもらって夫に電話し、相談した。夫はあれだけ散らかっていたら増額も仕方ないのでは?毎回言ってくるのならともかく、今回は増額した料金を支払えば との意見だった。結局彼女の言った額を支払った。
三重医師受診の際その事を話すと「彼女はビジネスライクだからねえ」と笑っていた。
愛知さんの増額要求はその一回に留まり、G県に居る間土地の習慣や、買い物する
店など教えて貰い、お世話になった。