そううつ色々図鑑ーメンヘラ歴1/4世紀ー

双極性障害持ちゆえに出会った色々な人たち、出来事について。精神科入院生活の有様。サイテーな家事・育児についても。

患者図鑑7 異邦人

異邦人

A病院での印象に残る患者については「患者図鑑」で触れたが、精神科単科病院のB病院の方が記憶に残る
患者が多かった。一番インパクトが強かったのは入院患者だが、ここでは通院患者について。

通い始めると、外国人の風貌の人を何人か見かけるのに気づいた。アジア系であったり、白人であったり。
精神科単科なので、来ている患者は全員精神科受診だ。
どう言う経緯で日本に来ているのか、どのような病気なのかは全く分からない。
ただ、もし自分が外国住みで精神疾患を患っていたらとても辛いだろうと想像した。
そもそも外国に住んでいる事自体が疾患の原因になっているのかもしれない。文化や習慣の違い。孤独。
そして精神科の診断は、言葉のやりとりによる部分が非常に大きいと思うが言語の問題。
例えば私が米国に住んで現地のメンタルクリニックにかかったとしたら、受診の前日に辞書首っ引きで
医師へ伝える原稿を作る必要がある。当日も辞書を持ってかなくてはならないだろう。
そうしても医師に伝えられるのは良くて自分の言いたいことの6~7割だろう。医師の返してくれた言葉で理解
出来るのは更にその6~7割だから、やりとりしたい情報量が目減りしてしまい、かつ正確性を欠く。
思うように伝え合えないことによる焦燥感は疾患の回復の妨げになりかねない。

日本人の医師と日本語でやりとりしている私でも回復がはかばかしくないのに、と思いつつ
一列前に座っている外国人の患者の背中を見ていた。
「○○さん」とその人の名前が呼ばれた。五藤医師の診察室に向かっていく。五藤医師は語学堪能なのだろうか?
他人事ながら心配しているとその人は「先生、こんにちは」と流ちょうな日本語で挨拶して入って行った。