スピリチュアル図鑑10 (愛媛先生)教科書を外れない占い
雑誌を読んでいると、一見記事のように見えるがよく見る実はと広告だということがある。
その手の広告でよく見かけたのが愛媛(仮名)先生だ。東洋占星術を良くするという。
長い占い師歴、説得力のある語り口に一度行ってみようという気になった。
愛媛先生は、某駅近くに事務所を構えていた。スタッフを置いている訳でもなく
先生一人で出迎えてくれた。
いつもの通り、「うつから逃れたい。うつから解放されたい」と相談した。
と、先生は後ろの本棚から一冊本を取り出して、「えーっと」と言いながら
パラパラめくり出した。
「ここね、ここにあなたの健康運が書いてある」
細かい字で一杯で、目が痛くなる。「これ読んで」
え??解説なし?自分で本を読みなさいという事??
とても覚えられる量ではないので、必死にメモを取った。
「子育てはうまく行くでしょうか」
「家族運ね。ちょっと待って」先生はまた違う本を出してきて、
あるページを示した。「ここに書いてある」
先生に質問や悩み相談をするたびに、教科書だか占い書だかの
該当部分を私に見せる。私が必死にそれをメモする。その繰り返しなのだ。
確か生年月日をもとにしていたから、四柱推命とか九星気学といったジャンルなの
だろう。
でも、愛媛先生程のキャリアがあれば、教本の内容は全部頭に入っていて
相手に応じてアレンジしたり応用したりするものではないだろうか?
それとももうそれも通り越して面倒くさくなってしまったのか?
ひたすら教本を書き写すだけで、約束の30分はあっと言う間に過ぎてしまった。
そのページをコピーして貰うか写メを取れば済んだ事だと後から思った。
ともかく手が疲れた。