今週のお題「人生で一番高い買い物」その2 不良物件
今週のお題「人生で一番高い買い物」その2
自分だけかもしれないが「高い買い物」という表現にはネガティブな
意味合いが含まれるように感じる。「高い買い物をした」「○○は高かった」
と言った言葉には、少なからず散財への後悔や後ろめたさが漂う。
前回自分の結婚ネタを書いたが、
今回は友人の結婚ネタだ。
友人に了解は取っているものの、細部は多少変えている。名前は仮名だ。
友人さとこは、婚活を張り切りまくった。複数の結婚相談所に登録し
(それだけでもかなりのお金がかかったらしい)お見合いをバンバンして
(美容院代・洋服代も結構かけたそうだ)ようすけさんと意気投合しゴールイン。
苦労した婚活の末なので、式も披露宴もここぞとばかり張り込んだという。
かわいい息子にも恵まれ、いつまでも幸せに暮らしました… とはいかなかった。
夫が長年、同僚のみゆきと浮気をしていた事が発覚したのだ。みゆきとの仲は
実はさとことの結婚以前に遡るらしい。それどころか、みゆきの他に部下にも
ちょっかいを出していた、
一人息子のゆうたはもう高3。子供の事を配慮して離婚を思いとどまるほど
幼くはない。さとこは離婚を決意した。
離婚調停。調停不成立からの裁判。長引くにつれ、弁護士に払う報酬もかさむ一方。結果離婚は成立したのだが。
さとこには、婚活から結婚生活、離婚までの20年という時間がまず空しく思えた。時間はプライスレスなのに、もう取り戻せない。お金という面でも結婚相談所に支払った入会金から弁護士の報酬に至るまで、総計はかなりの額になるだろうが使い甲斐のないお金だった。
「ようすけっていう不良物件買ってしまったのが人生最大の失敗ね。
本当に高くついたわ。後悔してもしきれない」
勉強代、とするにはあまりに辛く代償が大きかったと思うが、人生何が起こるか分からない。大きい出費などすることなくても、いい男性に巡り合うかもしれない。
再度結婚相談所に入ってまとまったお金を払う事になっても、その甲斐がある素敵な相手が見つかるかもしれない。結婚しなくたって幸せになる道は幾らでもある。
さとこの苦い「人生で一番高い買い物」の記憶を洗い流してくれるような未来が
開ける事を祈っている。