精神科単科病院への入院2
B病院の入院日が決まり、病院生活で必要な物を用意した。精神科の入院は
自殺を防ぐ為、持ち込めるものに制限がある事も多い。
私がB病院入院中に会った須賀(仮名)さんは病歴も長く、色々な病院を
渡り歩いてきた猛者(?)だが、ある病院では持ち込めるのは二つだけ。
眼鏡と入れ歯。これは代替が効かないので持ち込み化。あとは全て、着る物から
洗面用具から病院から貸し出しだったそうだ。
B病院は、刃物類と長い紐様のもの(電気のコード含む)は禁止であったが、
他は自由だった。他科の入院で用意するものと大して変わりはない。
言い忘れたがB病院は全て解放病棟である。須賀さんから、閉鎖病棟の様子も
聞いたが(いちいち許可を得て鍵を開けて貰う等)、それに比べるとかなり
自由な環境だったと思う。
刃物類も、心配がないと思われる人には小さなはさみ程度の物の所持は許可されていた。ドライヤーは貸し出し制だったが、使用中に見張る訳でもないので、コードを
使って事を成そうとすれば出来ないことはない。
逆に言えば、閉鎖病棟が適当であるような患者は受け入れず、他の病院を紹介する
のであろう。
以上のような事が分かったのは、入院して入院患者たちから色々見聞きしてからの
事で、入院前は不安な暗い気持ちでいっぱいだった。
B病院に長く通院していたものの、外来エリアと入院エリアは全く隔絶された空間で、
同じ病院とは言え未知の世界だったからだ。入院が決まってからも事前に入院エリア
を見学する事は出来なかった。