そううつ色々図鑑ーメンヘラ歴1/4世紀ー

双極性障害持ちゆえに出会った色々な人たち、出来事について。精神科入院生活の有様。サイテーな家事・育児についても。

患者図鑑124&精神科医十二人目 ドクターハラスメント

医者

精神科の受診と言うのは、ことさらデリケートで患者に取りハードルの高い問題である事は前回も書いた。

utuutuyasuyasu.hatenablog.com

医者の当たりはずれは、精神科にかぎらないけれど精神科ではずれの医者に当たってしまうと、治療どころか却って病状を悪化させかねない。勿論、他の病気や怪我でも、どこか調子を悪くして心身ともに弱っているので医者のハラスメント的行為は許されるものではない。しかしこと精神疾患を患っている患者にとって、精神科のプロであるはずの医師がさらに受診者の心をえぐり、気力を削ぎ取るような言動を取るのは解しがたいし看過しがたい。

B病院の入院仲間の桂島さんからメールが来た。桂島さんは、B病院では私と同じ五藤医師が主治医だった。しかしご主人の転勤により、某県に転居した。そこでかかった精神科の医師が最悪なのだと言う。

ともかく威圧的で、一切の質問・疑問を許さない態度だと言う。精神科の患者は感情の起伏の波がある。私も医師の前で、カウンセラーの前で何度涙をこぼしたか分からない。でも幸い私が涙をこぼしながら、時には泣き言、繰り言にすぎたいことをだらだらと述べてもきちんと受け止めてくれ、時には励まし、時にはアドバイスをくれた。

五藤医師に泣こうがわめこうが受け止めて貰っていた桂島さんだが、今の医師、仮に越後医師とするが一粒の涙もこぼす余地を与えてくれないのだと言う。出ようとする涙も引っ込む対応だ、と桂島さんは言っていた。

いつも不機嫌で、パスコンのディスプレイばかり見て桂島さんとは目をあわせようともしない。しかし、あまりに取り付く島がなくてこちらを向いてください、と言える雰囲気ではとてもない。勇気を出して症状(眠れないとか、落ち込みが酷いとか)を訴えようとするが、そううまくすらすら口をついて出るものではない(これは私も痛いほどわかる)少し言いよどんでいると、ではもう終わり、と強制シャットダウンされるのだそうだ。

ある時、待合室にいると越後医師が患者を怒鳴りつけるような声が聞こえて来た事もあると言う。

病院に行く前にかかえていた悩みや苦しみが軽減・解消されるどころか、更に大きく深くなったように思える、と嘆いていた。通院が苦痛になってきたと。

転院を考えたら、と私は桂島さんに提案してみた。怯えながら、委縮しながら受診してもいい結果が生まれる訳がない。

ところが、その病院はそその地域有数の病院であり、越後医師はそこの精神科のトップなのだという。

「クリニックを開業している医師も、もとその病院で越後医師と一緒に働いていた人だったりして… 転院してもいい結果が望めるか」

桂島さんの悩みは深い。

(文中は全て仮名・仮称です)