そううつ色々図鑑ーメンヘラ歴1/4世紀ー

双極性障害持ちゆえに出会った色々な人たち、出来事について。精神科入院生活の有様。サイテーな家事・育児についても。

患者図鑑127 ファッショナブル

化粧

今回触れる女性患者も、私が通院の度に見かける女性。初めて彼女を見かけたのは待合室ではなくてトイレであった。

用を足して(ここまで書かなくてもいいか(笑))手を洗おうとすると、隣の洗面台の前にその人が居た。念入りに化粧直しをしているようだ。

見るともなく横を見て驚いた。なんだこのメイクは!!

 

私は友人につきあってミュージカルを見に行った事がある。1000人以上の座席を持つ大劇場だった。友人、なおみが自分の親類のゆきが出演するから、と誘って来たのだ。

幕後になおみからゆきに挨拶に行こうと誘われ、楽屋へ行った。舞台を降りたばかりでまだ額に汗の残っているゆきちゃんのメイクはそれはびっくりびっくりするレベルだった。

特にアイメイク。ものすごい濃く太いアイライン、クレオパトラのようなアイシャドウ。つけまつ毛はひじきどころかいそぎんちゃくかくらげかというレベル。

ゆきちゃんの素顔の写真を後で見せて貰ったが、僅かに面影があるかないか?という程の違いだった。

確かに大劇場ではあれくらいのメイクをしないと舞台映えもせず、ぼんやりとした表情になってしまうのだろう。現に舞台に立っているゆきちゃんは全然違和感がなく、可愛らしく(可愛らしい役柄だった)自然だった。

 

話が逸れてしまったが、私の真隣でパフをはたいている彼女の鏡の中の顔… それはゆきちゃん並みのメイクを施しているのだった。

服装はと言うと、黒のエナメルのぴったりしたワンピースと10cm以上はあるピンヒール。帽子… 調べてみたら、カクテルハットという形が近い。帽子にはコサージュとレースがついている。

帽子は、防寒や陽射しを避ける以外に被るのは余り一般的ではないと思う。パーティーやとてもフォーマルなお呼ばれならともかくも。ここは… 病院。

彼女は今から舞台に躍り出そうな格好で化粧直しをしている。ここからどこへ行こうと言うのか。このトイレから繋がっているのは劇場でもパーティー会場でもなく、精神科の診察室だと言うのに。