そううつ色々図鑑ーメンヘラ歴1/4世紀ー

双極性障害持ちゆえに出会った色々な人たち、出来事について。精神科入院生活の有様。サイテーな家事・育児についても。

患者図鑑129 スーツケースの彼女

スーツケース

この彼女、小久保さんも受診の際に良くみかける人。私の主治医が診察する曜日に、隣の部屋で診療をする越中医師が主治医のようだ。

小久保さんがが目立つのはーごく普通の格好をしているのだが。毎回毎回スーツケースをごろごろ引いてくるのである。

そして「小久保さん」と名前が呼ばれると、スーツケースを転がして入っていく。そして会計窓口にスーツケースを携えて去って行く。

一回や二回では気にならなかったと思うが、彼女は毎回スーツケース持参だった。海外旅行に行くほどのサイズではなく、国内2,3泊旅行に適切な大きさである。

ちょっとそのスーツケースの色合いが変わっていて(目立つ色である)、毎回車輪の音を立てて転がしているのでいきおい目についてしまうのである。

他の受診者は、私もそうだがトートバッグやハンドバッグや… ちょっとそこまで、という身支度である。

何でわざわざ毎回ああ大荷物を持って来るのか、不思議だった。

一つの仮説としては、彼女はどこか病院から遠い所から通院しており、泊りがけなのではないか。

先日病院仲間の笹島さんと話をした。笹島さんは親戚の冠婚葬祭で新幹線で2時間かかるところに行かなくてはならなかったという。新幹線で二時間ー なら日帰りも軽く出来てしまうと思いそうだが、彼女の場合前日入りして体調を整え(一日目)観光総裁に出席。新幹線の駅の近くのホテルに移動(二日目)帰途につく(三日目)という3日がかりの予定を組んでいた。主治医とも相談してそのプランになったのだと言う。

小久保さんがそもそも遠方に住んでいるかも想像に過ぎないのだが、笹島さんの例を取れば日帰りできるような距離であっても泊りがけはありうるな、と思った。

(文中は全て仮名・仮称です)