離島留学報道で思い出した事4
前回からの続き
離島留学(今回のケースについて、という訳ではない)が色々課題をはらんでいるという意見も散見した。
過疎化解消、地域振興といった地域への利益ばかりが優先で、肝心の子供にはとってどうなのか、という目線に欠けているのではないか。
受け入れ先の数が少なく、ホストファミリーの変更が容易に出来ない。
留学生のフォロー体制が十分でない。
実の親が育てても、様々な困難が生まれるのだから、知らぬ土地で他人の間で暮らすなかでは色々な事態が生じることは想像に難くない。
しかしそのような問題点があったとしても、それでもやはり山村留学、離島留学を否定する気持ちになれない。
子供を育てられない、という状況は短期的であれ長期的であれ生じるし、その場合の逃げ場ー子供に取っても、親に取っても はあってもいい。必要だと思う。
児童養護施設や里親制度(厚労省管轄)の利用もあるけれど、ハードルは低くはないと思う。それまでの手続きも大変だし、「施設に入れる」「里子に出す」事に親や子が抵抗を感じる事もあろう。
祖父母などの親戚に預かって貰う方法もあるが、適当な親戚がいるとも限らない。
その点、比較的山村留学、離島留学は候補に上がってきやすいのではないだろうか。
反面、里親制度などと違い受け入れ側の審査がそこまで厳しくなかったり、受け入れ後のチェック体制が細かくないなど出ててくるかもしれないが。
でも例えば一年でも離れて暮らすことで、親の体制が(健康面であれ、金銭面であれ)立て直す事が可能になるかもしれないし、もし虐待やネグレクトしてしまいそうな状況ならば、手元を離れる事でその危険性からは留学期間は逃れられる。傷つけてしまうより、殺してしまうより、死なせてしまうよりマシだと思ってしまう。
色々な体制面での不備は例えばホストファミリーの研修や監督、コーディネーターやカウンセラーの設置などでカバーできる面がある。勿論それも予算・人員がいるので手当をどうするか、という問題が生じて来るが。
保育園を専業主婦でも利用できるように、という記事を読んだ。育児力が下がっていると昨今言われている。それは本当かもしれない。確かにひと時代、ふた時代前は5人10人と兄弟がいた。でもともかく喫緊の問題として、
目の前に子供がいる。その子を育てられなくて困っている親がいる。その早急な、具体的解決が用意されるのが最優先であると思う。