そううつ色々図鑑ーメンヘラ歴1/4世紀ー

双極性障害持ちゆえに出会った色々な人たち、出来事について。精神科入院生活の有様。サイテーな家事・育児についても。

涙のアンパンマン体操

三井医師のところに通い続けていたが調子ははかばかしくない。

具合が悪いと訴えても、いつもの冗談を聞かされ、薬を変える。

効き目が出るまで1~2週間ほど我慢して服薬するが改善されない。

また医師に訴える。そんなことがずっと繰り返されていた。

 

その頃の記憶の中で、鮮明に覚えているのが「アンパンマン体操」だ。

最寄りの公民館で週一回「年少児のための遊びの時間」

が設けられていた。

時間の最後に、いつも「アンパンマン体操」が流された。

参加者は円になり、中心に職員が立ち、見本を見せる。

みんなでアンパンマン体操を踊る。

「もし自信をなくしてくじけそうになったら」

まさに当時の自分だった。

「いい事だけ いい事だけ 思い出せ」

いい事を一生懸命に思い出しても、すぐ悲しい、暗い気持ちにかき消されて

しまうのだ。

「アーーーンパンチ!」

アンパンチと共に、抱えている苦しみが消散してくれたら、どんなに嬉しいだろう。

アンパンマン体操と一緒に私はいつも涙をこらえていた。

周りを見渡すと、お母さんも子供も、満面の笑みで踊っている。

自分がみじめで情けなくて仕方なかった。公民館を一歩出ると

涙をとめることが出来ず、ぽろぽろ涙をこぼしながら帰路についた。

 

ある時とうとう私は「良くならない!」と医師の前で泣き叫んでしまい、

ぐちゃぐちゃの顔のまま帰宅して、そのまま布団につっぷして泣いていた。

帰宅した夫がそれをみて酷く心配し、転院を考えるようになった。