そううつ色々図鑑ーメンヘラ歴1/4世紀ー

双極性障害持ちゆえに出会った色々な人たち、出来事について。精神科入院生活の有様。サイテーな家事・育児についても。

患者図鑑4 ナンパおじいさん

誰にでも話しかける患者さんは他科でも見かけたことがあるので、

今回の事例は精神科に特有なことではないかもしれない。

前項で書いたように、受診サイクルが一緒になると同じ患者さんと

待合室で居合わせる事が出てくる。

その人はおじいさんと言っていい年頃の人で、いつもくしゃくしゃの

帽子をかぶった痩せた人だった。

そのおじいさんは待っている女性(必ず女性。なのでナンパと書いた)

にランダムに話しかける。でも話しかけるといっても、全く一方的な、おじいさん自身の個人的な内容を支離滅裂に、身振り手振り交えて甲高い声でまくしたてるだけなのである。近所の様子、日々の不満、自分の信条、自分の過去、そう言った内容で、

話は脈絡なくあっちこっちに飛んでいた。

相手とはほどんど目も合わさない。ただ、時々「ねえ!」「そうなんだよ!」と時折

相槌は求める。

相手が診察の順番が回って席を立つと、空に向かって話し始める。

一定時間たち、相手になりそうな女性が見つかると、隣に移動しまた始まる。

先程話した内容と全く同じ事だったり、違う事だったりする。

 

私も話しかけられたことがあるが、おじいさんの勢いと剣幕にとても

やめてくださいとは言えず、適当に相槌を打ち、ひたすら診察の順番を待った。

迷惑至極なのだが、待合室は混んでいて空いている席もあまりなく、

無下にしても面倒なことになりそうなので、ターゲットになった女性たちは適当にいなしていた。

 

看護師さんにその男性に困ると伝え、他からもクレームが来たのだろうか。

そのうちその男性と一緒になることは無くなった。

 

次は入院譚について書くつもりです。