釧路の精神科「異常事態」ニュース ースーツケースの彼女番外編
ネットニュースをみていたら
北海道釧路で、精神科の医師不足が深刻な事態になっていると報道されていた。
何と新患外来受診まで最大待ちが半年。
同記事には「近年は精神科に通う心理的ハードルが下がった」とあるが、そうは言っても内科や外科受診よりは格段にハードルが高い事は想像に難くない。苦しい状態に耐え、逡巡、葛藤を繰り返し精神科にかかる人は今でも少なくないと思う。
ぎりぎりまで我慢して、決意して病院に連絡したら「受診は半年後」と言われたら…
苦しい状態で半年待つのは辛い。それだけで絶望的な気持ちになって、病状が悪化しそうだ。急な病状悪化や入院には対応出来ているのだろうか。
医師の偏在は精神科に限った事ではないけれ、その裏腹にその必要性を身をもって感じているのでこのニュースには心痛み憂慮してしまう。
大都市ならば開業医、総合病院、精神科単科病院までいろいろ選択肢がある。
前ブログで
精神科の待合室に毎回スーツケース持参で現れる女性患者について書いた。
彼女がそもそも遠方からきているかどうかも、想像の域を出ないのだが
本当に「地元に受診できる病院(診療所)がない」「半年待たなくてはならない」と言った理由で泊りがけで遠方から受診に通う患者が出て来るかも(もしかしたら既にいるのかもしれないが)しれない。
私の知人は某県の県庁所在地、県でも一二を争う人口の死に住んでいる。彼女も幾つかの精神疾患を患っている。彼女によると、市内のメンタルクリニックは数えるほど、入院できる病院となると大学病院、市民病院の二つしかないという。その一つは閉鎖病棟しか持っていない。
大学病院は市の中心地からかなり離れたところにあり、彼女の家からはアクセスが悪い。彼女は運転をしないので、タクシーで通うと費用がかさむし、公共交通機関を乗り継ぐと受診のたびにぐったりと疲れてしまうので(待ち時間などを含め)いきおい市民病院一択なのだという。
実は診て貰っている医師は彼女曰く若くちょっと頼りなくて、十分に満足している訳ではないのだが他に選択肢はないのだ。新幹線や飛行機を使えば、大都市の病院受診も可能ではあろうが金銭的に負担が大きいし、体力も使うので現実的ではない様子。
交通の発達。医療の進歩。医療機関を自由に選べる制度。そんな日本にあっても、診察を受けられず苦しんでいる人がいると思うといたたまれない気持ちになる。