希死念慮3 暗殺者と背中合わせ
今までなんとか生き抜いてきたけれど、今でも希死念慮から解放された
訳ではない。調子が悪くなると、「死にたい」気持ちが頭をもたげてくる。
一日中「死にたい死にたい」とつぶやいている事もある。
精神状態が悪い時、著名人が自殺のニュースを耳にすると「羨ましい」という感情
が心をかすめる。
死にたい気持ちがありながら実行できない自分。この世から離れたいのに
、離れる事の出来ない自分。やりたいのに出来ないことを遂行した人に羨望の念
を持ってしまうのだ。
私はいつも私を殺そうとしている暗殺者と背中合わせにいるようなものだ。
暗殺者は、私が弱った時を虎視眈々と狙っているから安心はできない。
ところで前項で「自殺した人は成仏できない」考えが自殺抑制剤になっていると書いたが、
私は希死念慮は精神疾患から引き起こされる症状なのだから、「自殺」でなく「病死」と分類されてもいいと思う。
また、生存本能にあらがって敢えて死を選ぶのは、苦悶と絶望の果ての無念の
選択である。どうしようもない苦しい思い、痛い思いを経て、最期を遂げた
あとに罰が待っているとしたら、余りにも救いのない話だ。
B病院入院中に自殺未遂者何人かに会った。患者図鑑で触れていくつもりである。