そううつ色々図鑑ーメンヘラ歴1/4世紀ー

双極性障害持ちゆえに出会った色々な人たち、出来事について。精神科入院生活の有様。サイテーな家事・育児についても。

ヘルパー図鑑32 「すずらん」とゴミ屋敷業者

ゴミ屋敷

すずらん」に依頼する前、援助が無い状態がしばらく有った。

ちょうど年末も迫り、少しは大掃除や片付けをと思うのだが体が動かない。

日々汚れていく部屋を見ていると、ますます落ち込み、精神状態が悪くなっていった。

全くの悪循環だ。

夫や子供は消極的協力はしてくれるのだが、積極的協力には至らなかった。

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私は半泣きで何度目かの保健所への駆け込みをして、窮状を訴えた。

対応した保健師は初対面の人だったが、今まで家事援助を受けて何とか

乗り切って来たことや、汚い部屋を見ていると辛くて仕方がないとの訴えに

しっかり耳を傾けてくれた。

彼女が紹介してくれたのが「すずらん」だ。「すずらん」は「ひまわり」や「つばき」

のような、ボランティアによる有償家事援助団体だ。「すずらん」の担当者が説明に来る日、保健師(仮に群馬さんとする)も自宅に来てくれる事になった。

すずらん」の担当者は大分(仮名)さんと言った。

 

私は荒れきった家を少しは見苦しくないようにと頑張ったが、力尽きた。

家の散らかり具合に身を縮こめながら、二人の来訪を待った。

二人が家に入って来て、あまりの惨状にたじろいだのが分かった。

床の物を避けて、積みあがった洗濯物や日用品の隙間をすり抜けなくては

ならない状況だったのだ。

大分さんは「援助に入る前、もう少し家の中を整理して頂いてからでないと」

と言いにくそうに口にした。

業者に片付けに来てもらう前の片付け、掃除に来てもらう前の掃除は必要ない

というけれどうちはそんなレベルではなかったのだ。

確かに何から手を付けていいかわからない状態だった。

もう少し何とかしてから連絡をすると大分さんに告げ、一旦帰って貰った。

 

さぁどうしよう。そう言えば、TVでゴミ屋敷をピカピカにする業者の特集を見た事がある。ゴミ袋がうず高く積まれ、うちより酷い状態の家が見違えるようになっていた。

(小さな自己弁護をすると、ゴミ袋が積まれていることはない。もちろん目の前に散らかっている物の多くはゴミ候補であるけれど、ゴミ袋をため込んでいる事はなかった)

ともかくネットでゴミ屋敷を綺麗にする業者を探してみる。「いいゴミ屋敷整理業者

知らない?」などと知り合いには聞けない。遠い場所の業者、HPにあまりに高額な料金が記載されている所は除いた。

そこそこ近く、値段も手頃そうな所を見つけ電話をしてみた。

まず家の広さを聞かれ、汚れ具合の写真を撮って送るように言われた。

少したって見積りが来たがなんと「30万はします」との返事。

条件として

・業者はゴミと指定された物を運び出して破棄するだけである。

要る物と要らない物、捨てる物と捨てない物の仕分けは予めしておくこと

・掃除はざっとするが、掃除専門ではないので、一般的な清掃レベルにとどまる

こと

以上を了解して欲しいと言われた。

 

仕分けが一番大変で、気力がいる。それは依頼者にしか判断できない事だが

それをする力はない。

何よりも30万という値段…

 

もう一つの業者は、仕分けはしなくてもいいが、その代わりある物をランダムに

業者持参の段ボールに入れて積み上げます と言われた。

それだと一時的にスペースは空くが、結局その段ボールを開き、中身を仕分けし捨てる

作業が必要になる。その場しのぎの解決にしかならない上、30万は行かないまでも

高額だった。

 

私は正直に大分さんに業者に問い合わせてみた結果を相談した。

大分さんからの提案は、ヘルパーが入る前に二日間、それぞれ半日時間を取って大分さんと2人のヘルパー、合計3人が片付けに来ることだった。料金は数万で済む。

そこである程度片付いた状態で週二回ヘルパーが入る事にしましょう、と。

二日間ヘルパー3人と私、合計4人でひたすら仕分けとゴミ捨てに専念した。

正月を迎えるまでに何とかしたい一心で頑張った。

その成果は、整然とした家には程遠かったけれど一応通常にヘルパーを派遣

しますと大分さんに請け負ってもらう程度にはなった。