精神科医にも「人間ってそんな教科書通り行かないよ」と思わされた。
三井医師には、良く「安井さんくよくよ悩むものねぇ」と言われた。
全く持って事実なのだけれど、じゃあ三井医師はくよくよ悩むことはないのか?
私は病的に悩んでしまった訳だけれど、三井医師だって彼にとって酷く困った事、
苦しい事が起これば(程度の差はあれ)くよくよ悩むはずだ。
常に泰然自若、達観した聖人であれという事(意訳)を言われると生身の人間でそれは無理です。先生も無理でしょ?と言い返したくなった。
ちょっと「机上の空論」からは逸れるのだが、この記事を書いていてあるエピソードを思い出した。
私の一回目の精神科入院は、総合病院A病院で、内科と同じフロアだった。
内科の看護師信濃さんはかなりふくよかで、ほぼ球体の体形だった。
でも愛嬌があって明るく、あまり接触はなかったものの感じのいい人だな、と思っていた。
私は内科の患者さんとは接点が少なかったが、たまたま食事時間で隣になったりすると話すことがある。
ある時、隣になった兵頭さんが面白そうに話しかけて来た。兵頭さんは糖尿病で食事制限しなくてはならないそうだ。
「それがね、栄養指導が信濃さんだったのよ。他でもない信濃さんにカロリーが、
食事量がと言われるともうおかしくて」
まぁカロリー・食事量を人一倍気にしていない人に訳知り顔で指導されるのは滑稽な話ではあるな、と思った。
(文中は全て仮名・仮称です)