患者図鑑97 病院グルメ3 オリジナル料理
病院グルメパート3。刑務所の食事は、おかずの交換が禁止だそうだがB病院ではそういう決まりはなく、食べきれないものや嫌いなものを他の人とのやりとりは自由だった。時々出されるジョアのブルーベリー味を免田さんはこよなく愛していた。それを知ってジョアが出てくると何人もが免田さんに献上。目の前にずらりと並んだジョアに免田さんはご満悦。共用冷蔵庫にいれて毎日のように飲んでいた。
私の斜め前の席に座っている守谷さんは、出されて食事に自分流のアレンジを加えていた。
・和風の煮魚の上に、デザートのフルーツを潰してかけ、フルーツソース風
・ご飯(お米)に牛乳をかけてライスプディング
・デザートのゼリーをスプーンで細かくしておかずの皿のふちにぐるりと飾る
(フレンチでコンソメゼリーのクラッシュを飾るがあの感覚らしい)
・焼き魚をほぐし、付け合わせの酢の物を混ぜて団子状にする
(何故そうしたのかは分からない)
そのまま食べた方がおいしそうに思えるのに、何故奇妙に手を加えておかずを変化させるのか分からない。子供が食べ物を色々いじる感じに似ているのだろうか。
安野さんは、「ここの食事は口に合わないわ」と良く口にしていた。出させる食事に加えて、自分で買って来たサラダやデザートを置いて一緒に食べていた。
はなはだしい時は、外で弁当を買ってきて病院食はパスした。さすがに皆が並んで病院食を食べている中、一人だけ弁当を食べるのは差しさわりがあるということで、違うテーブルで一人で食べていた。
どこでお弁当を買ってくるのですか(デパ地下かな?)と聞いたらRスーパーだという。
私もRスーパーのお弁当コーナーは見た事がある。(病院食と五十歩百歩じゃない)と心の中でつぶやいた。
(文中は全て仮名・仮称です)