患者図鑑33 洗濯事情その2
屋上は男女ともに出入り出来、そこで談笑したり、ぼーっとしたり、いつも男女共に人がいる。
私は一応気を使い、下着類は見えない様、バスタオルの裏に干すとか、小物干しでぐるっとタオルを周りを囲んで干していた。
しかし中には堂々とショーツやブラジャーを見える場所に干している人もいて感心
するやら、見ているこちらが恥ずかしくなるやら。
「安井さーん、裏に干していると乾かないよ!」とまでアドバイスされた。
私は洗濯機で洗濯できるような素材の物しか来ていなかったが、前の記事に書いたように病院から出勤する人もいる。
また田村さんのように、クリーニング対応のブランド服を愛用している人もいる。
そういう人たちは病院近くのクリーニング屋を使っていた。田村さんなど毎日のように着替えて一度着るとクリーニングに持って行くので、山のように服を抱えて出て行き、
また山のような数を持ち帰っていた。
病院にはアイロンとアイロン台があり、自由に利用する事が出来た。通勤する人がYシャツや、よれよれになったスーツのシワを伸ばすのに使っていた。
かと思えば、この人は一体服を洗濯しているのだろうか?と疑問に思う人もいた。
ホワイトボードの洗濯機順番取りに名前を見た事がない。屋上で干しているのも見かけない。面会の人も来ないので、着替えを託す相手もいない。そう言えばいつも同じ
服を着ていた。本来、昼と寝る時は着替えるというのがB病院の方針だがその人は
昼夜同じ服を着ていた。
ちょっと変わった柄なのだが、同じ物を何枚も持っているのか、それとも…
(文中は全て仮名・仮称です)